古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

春琴抄     谷崎潤一郎

2023-01-02 07:26:11 | 小説の紹介

新潮文庫     昭和8年

 

前に読んだのはそう30年くらいまえだろうか。

 

だいたいのストーリーは覚えていたが、細部は

 

まったく覚えていなかった。春琴と佐助の異常な

 

ほどの愛のストーリーだ。恋愛小説なんて生やさ

 

しいものではない、相手のことをおもんばかって目を

 

針で潰せる男がどこにいよう、バカな男で片付けら

 

れない、そこには一途さがある。

 

検校というお師匠さんと弟子なのだが、その関係の

 

ヌメヌメ感は気持ち悪いくらいだ。

 

句読点がほとんど省かれている。それでも、読む上では

 

不自由かと問われれば、そんなことはない、と言うだろう。

 

ストーリーテラーとしての、一流の技を見せられたような

 

感じ。

 

谷崎47歳のときの作だという。

 

      (読了日 2022年12・9 19:40)

 


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