映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ロックアップ

2020年08月06日 | 映画(ら行)

愚かなものが権力を握ると・・・

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シルベスター・スタローンについて、ほとんど「毒くらわば皿まで」という心境になってますね。

本作も、刑務所の話。
「大脱出」とどう違うのか、というところに注目。

 

刑期があと6ヶ月に迫った模範囚のフランク・レオン(シルベスター・スタローン)。
仮出所で恋人とつかの間の逢瀬を楽しんだりもして、まずまずの残りの刑期を務めようと言うところ。

ところがある夜突然、護送車に乗せられ、凶悪犯のひしめく刑務所に運び込まれます。
ここの所長・ドラムグール(ドナルド・サザーランド)は、レオンに恨みを抱いており、陰湿な復讐を開始します。
それというのも、以前の服役中、危篤の父に面会するためレオンは脱獄せざるを得なくなり、
その刑務所の不正を暴露。
その時の所長がドラムグールで、非難の的となり、今の刑務所に左遷させられた、というわけ。
彼は所長の権限で、レオンをいじめ抜き、その命さえも奪おうと画策しますが・・・。

 

特別脱獄の話にはならないなあ・・・と思いながら見ました。
どんなに悪辣な所長の下でも、一応法的な「刑期」がある訳で、
もう少しの我慢で出所できるわけですから。

ところが、刑期も残り3週間というときに、
明日出所するある男が、「レオンの恋人をレイプする」とわざわざ言いに来るのです。
もちろん、彼女のために、レオンは脱獄を決意する!!

しかしこれは脱獄劇ではなくて、もう少しひねりがあった、というところが面白い。

少しずつ信頼できる仲間が増えていくのもいいし、
しかしそんな中に裏切りがあったりもする。
こういう作りもうまいです。

 

それにしても、愚かなモノが権力を握ると大変なことになる・・・
というのが実のところのテーマなのではないかと思ったりします。
ホント、いろいろなところでも言えることだなあ・・・。

「大脱出」は2013年の作品なので、脱獄の話としてはこちらの方が本家本元。
スタローンの体力・気力共に最も充実している頃かも。

<WOWOW視聴にて>

「ロックアップ」

1989年/アメリカ

監督:ジョン・フリン

出演:シルベスター・スタローン、ドナルド・サザーランド、
   ジョン・エイモス、ソニー・ランダム、トム・サイズモア

友情度★★★★☆

理不尽度★★★★☆

満足度★★★☆☆