映画と本の『たんぽぽ館』

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悲しみの皮

2024年11月02日 | 映画(か行)

人の欲望に際限はない

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夢かうつつか、ちょっと不思議な雰囲気のあるストーリー。

 

1832年、22歳のラファエル。
ギャンブルですべてを失い、自殺寸前。
そんな時に、骨董屋の店主から奇妙なものを勧められます。

それは「悲しみの皮」といって、願ったことは何でもかなえられるけれど、
その都度皮は縮んでいって、それと同時に、
その者の人生も縮んでいく、つまり寿命が短くなるということ・・・。

ラファエルは半信半疑ながらもそれを受け取り、願いを口にします。
すると、瞬く間に富と名誉を手に入れたラファエル。
「悲しみの皮」は確かに縮んでいるけれど、まだまだ余力はありそうです。
そして、ラファエルが次に願ったのは・・・。

 

人の欲望はどこまでも果てしがない、という話ではありますが、
ラストは勧善懲悪的な感じではなくてちょっと美しいものでした・・・。
お約束通り、ラファエルは短命に終わってしまうわけではありますが。

 

私が疑問に思ったのは、とある女性に自分を愛してほしいと願い、
実際に女性に愛されるようになったとして、
それは自然なことではなくて、魔法の力でねじ曲げられたものだと、
悩むことはないのだろうか?ということ。
幾分かでもそのような疑惑を抱くことがあっても良さそうな気がしますが、
本作中のラファエルはまったくそんなことは思わず、浮かれていました。
ま、脳天気である方が幸せではありますね。

 

とりあえず莫大な財産と名声を手に入れたら、
もう思い残すことなどなさそうにも思えますが、
まことに、人の欲望に際限はない。

 

<Amazon prime videoにて>

「悲しみの皮」

2010年/フランス/96分

監督:アラン・ベルリネール

原作:オノレ・ド・バルザック

出演:トーマス・クーマン、アナベル・エトマン、ジュリアン・オノレ、ミレーヌ・ジャンパノイ

欲望度★★★★★

教訓度★★★★☆

満足度★★★☆☆



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