映画と本の『たんぽぽ館』

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ルーシー・イン・ザ・スカイ

2020年08月19日 | 映画(ら行)

宇宙の深淵から精神崩壊まで

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実在するNASA宇宙飛行士リサ・ワックによる実話を元にしたストーリーです。

NASAの宇宙飛行士ルーシー(ナタリー・ポートマン)が、
宇宙でのミッションを終え、地球に帰還します。
しかし、宇宙の深淵・神秘を実際に見た彼女にとって、
地上での日常はあまりにも単調で、現実感が得られません。
人のいい夫(ダン・スティーブンス)がバカのようにも見えてしまう。
そんな中、ルーシーは同僚のマーク(ジョン・ハム)に惹かれていきますが、
彼はプレイボーイで、彼女とのことは本気ではなさそう。
でもルーシーは本気で、思い詰めた彼女は次第に精神が不安定になっていき・・・。

実際に自分で宇宙に行き、その深淵や、宇宙からの神秘な地球を目にしたら・・・、
その後の人生は確かに変わるかもしれない。
そんな気がします。
地上のルーシーの精神が徐々に崩壊していくさま、なかなか見事。
そして怖いのでした。

元々の彼女が、祖母に厳しく育てられたことにより、完璧主義となった、
という背景もまた説得力があります。

「ルーシー・イン・ザ・スカイ」と言えば、ビートルズのあの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」で、
本作中でもカバーですがその曲が使われていました。
しかも、祖母が危篤となり、いよいよルーシーの心のタガが外れていくシーン。
なんとも心憎い演出。
そして、お荷物っぽいティーンエイジャーの姪が、
実はルーシーを見守るポジションだったというのもいい。
日本で劇場公開はなかったのですが、なかなかいい作品だと思います。

おっと、夫役は、ダン・スティーブンス?! 
マシューじゃありませんか。
全然イメージが違うので気づかなかった~!!

 

<J:COMオンデマンドにて>

「ルーシー・イン・ザ・スカイ」

2019年/アメリカ

監督:ノア・ホーリー

出演:ナタリー・ポートマン、ジョン・ハム、ザジー・ビーツ、ダン・スティーブンス

 

精神崩壊度★★★★☆

満足度★★★★☆