人は何があれば生きられるか
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すべてのものをリセットした青年の実験生活を記録した
フィンランドのドキュメンタリー映画「365日のシンプルライフ」を下敷きとしたドイツ作品。
スマホ依存症のパウル(フロリアン・ダービト・フィッツ)と、
格好つけでプレイボーイのトニー(マティアス・シュバイクホファー)は
幼なじみでビジネスパートナー。
あふれるほどのモノに囲まれ、充実した生活をしています。
しかし二人のふとした言い争いがきっかけで、ある勝負をすることに。
一万個にも及ぶすべての家財道具を倉庫に預け、
所持品ゼロの状態から一日1つずつ必要なモノを取り出して
100日間生活をするというもの。
先にギブアップした方が負けです。
素っ裸の状態から勝負が始まりますが、
そのうちに彼らは隣の倉庫に出入りする風変わりな女性と知り合います・・・。
断捨離などという言葉もありますが、
確かに多くの人は特に必要でもなさそうなモノに囲まれて生活しています。
どれだけシンプルに生きられるか。
その限界に挑むというのも意義のある試みのように思います。
それにしても素っ裸から始めるというのはやり過ぎにも思いますが・・・。
やはりさすがに二人が始めに持ち出したのは身に付けるモノでしたね。
また、謎めいたとなりの倉庫の女性は必死で自分の身の上を隠していたのですが、
実のところ彼女は大量消費社会の落とし穴にはまった人物でありました。
どんなモノでも簡単に手に入るし、社会はそれをこそ美徳であると高らかに歌う。
生きていくためにはほんの少しのものだけあればいい、
という真実に迫るユニークな作品です。
そしてまた本作、そのことだけでなくパウルとトニーの友情のありようもステキに描いています。
ちょっと見にはトニーの方が頭がよくてオシャレでイケているかのようではある。
でも、本当はトニーはパウルに対してのコンプレックスでいっぱい。
友情というのも複雑なモノですね・・・。
フロリアン・ダービト・フィッツが監督・脚本でしかも主演。
そういえば先日見た「お名前はアドルフ?」にも出てましたっけ。
<Amazon prime videoにて>
「100日間のシンプルライフ」
2018年/ドイツ/111分
監督・脚本:フロリアン・ダービト・フィッツ
出演:フロリアン・ダービト・フィッツ、マティアス・シュバイクホファー、ミリアム・シュタイン
問題提起度★★★★☆
満足度★★★★☆