映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「本なら売るほど 1」児島青

2025年03月10日 | コミックス

本と人がもう一度出会い直す場所

 

 

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ここは、本と人とがもう一度出会い直す場所。

ひっつめ髪の気だるげな青年が営む古本屋「十月堂」。
店主の人柄と素敵な品ぞろえに惹かれて、今日もいろんなお客が訪れる。

本好きの常連さん、背伸びしたい年頃の女子高生、
不要な本を捨てに来る男、夫の蔵書を売りに来た未亡人。

ふと手にした一冊の本が、思わぬ縁をつないでいく――。
本を愛し、本に人生を変えられたすべての人へ贈る、珠玉のヒューマンドラマ!

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本好きの者のためのコミック。
私も好きだわ~。

街の小さな古本屋「十月堂」は、ひっつめ髪の気だるげな青年が店主。
元々あった古書店を店主が閉めるというのを聞いて、
そのまま買い取って店を続けることにしたのです。
そのエピソードについては、巻末の一話として収められているので、それもお楽しみ。

 

冒頭の一話では、十月堂がとある老人の遺品整理として、
老人の蔵書を買い取りに行きます。

そこには驚くほどの多数の本が本棚に収らないものまであふれかえっていて、
しかも内容が充実していて、保存状態もいい。
文芸誌ばかりではなくサブカルまでそろっていて、
十月堂はこの老人の見識の広さに圧倒されます。
もしや研究者だったとか?と思いきや、普通の郵便局員だったとか。
生涯独身で、ひたすら本と共に過ごしたのであろう老人。
十月堂は、生きているうちにこの人と会ってみたかった・・・と思うのです。
でも、本を選ぶ刻限も迫っているし、
店は狭く予算も限られているので多量の本を買い取ることもできない。
そんな中でも精一杯吟味して買い取る本を選ぼうとする。
亡き老人へのリスペクト。

しみじみ来ます。

とにかくこのエピソードにぎゅっと心をつかまれまして、
ゆっくり大事に読みたくなってしまいます。

続巻が楽しみです。

 

「本なら売るほど 1」児島青 KADOKAWAハルタコミックス

満足度★★★★★



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