「あの日」が残した爪痕
* * * * * * * * * * * *
あの同時多発テロから一年後のニューヨークを舞台に、
そこで暮らす人々の五つの物語を交互に描きます。
★あの日、崩壊したビルの7階にいた会社員。
たまたま無事な場所にいたため助かったのですが、多くの同僚も失っています。
どうやら心に変調を来し、カウンセリングに通っている様子・・・。
★気難しい10歳の息子に手を焼く中年夫婦。
なんとか普通の生活を続けようと奮闘中。
★ケーキ業界トップを目指す野心的女パティシエ。
一つの大きなプレゼンを目前にしています。
★親友であり、隣人であり、また仕事の同僚でもあるインド出身の二人のSP。
インドから訪問中の将軍の護衛にあたります。
★古雑誌のコラージュが趣味の老主婦と、その夫。
二人に会話らしきものもなく、妻は夫への不満を抱え込んでいるようだけれど・・・。
あの日の出来事に直接関わったかどうかに関わらず、
誰もが心に傷を負い葛藤を抱え込んでいます。
平穏な日々は簡単に崩れ落ちてしまう。
多くの人が命を失い、自分が生き残ったことの意味。
口には出さずとも、胸の奥で誰もが問いかけ続けたのではないでしょうか・・・。
それでも、なんとか折り合いをつけてわたし達は生きていく他ありません。
2005年。
まだまだ人々の心の傷が生々しかった頃の作品ですね。
これらの人々に特別の関係はなくて、それぞれ別途の物語なのですが、
一度だけエレベーターに乗り合わせるシーンがあって、ナイスでした。
<Amazon prime videoにて>
「グレイト・ニュー・ワンダフル」
2005年/アメリカ/83分
監督:ダニー・レイナー
出演:マギー・ギレンホール、オリンピア・デュカキス、ジム・カーフィガン、ジュディ・グリア、トム・マッカーシー
心の傷度★★★★☆
満足度★★★☆☆