同じ客室に乗り合わせた2人
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1990年代モスクワ。
フィンランドからの留学生ラウラは、恋人と一緒に
最北端駅ムルマンスクのペトログリフ(古代の岩面彫刻)を見に行く予定でした。
しかし恋人は仕事のためにドタキャン。
やむなく一人で出発します。
寝台列車の6号客室に乗り合わせたのは、ロシア人炭鉱労働者のリョーハ。
ラウラは彼の粗野な言動や失礼な態度にウンザリ・・・。
しかし長い旅の中で、2人は互いの不器用なやさしさや魅力に気づいていきます。
言語や習慣、文化が全く違う二人。
始めのうち反発するのは仕方のないことかも知れません。
とくにラウラはせっかくの恋人(実は女性)との旅がダメになり、
淋しくて落ち込んでいるところに
この、ロマンのかけらもなさそうな粗野な男と同室となり怒りさえ覚えます。
それでも、いやでも顔をつきあわせていなくてはならないこの環境。
次第にその人のことが見えてきますね。
結局は人と人。
わかり合い共感し会うことは、そう難しくはない。
車掌の女性も、始めはつっけんどんで冷淡なように見えたのですが、
終盤ではそっとラウラを気遣う様子も見せて良い感じになっています。
同じ列車に乗り合わせる、いわば運命共同体。
そんな中で育っていく連帯感のようなものもあるのでしょう。
ステキなロードムービーでした。
<Amazon prime videoにて>
「コンパートメント No.6」
2021年/フィンランド・ロシア・エストニア・ドイツ/107分
監督:ユホ・クオスマネン
原作;ロサ・リクソム
出演:セイディ・ハーラ、ユーリー・ボリソフ、ディナーラ・ドルカーロワ、ユリア・アウグ
最悪の出会い度★★★★☆
友愛度★★★☆☆
満足度★★★★☆