映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

鯨の骨

2024年10月26日 | 映画(か行)

カリスマ的女性と群がる者たち

* * * * * * * * * * * *

結婚間近だった恋人と別れたサラリーマン間宮(落合モトキ)。

マッチングアプリで知り合った女子高生(あの)と会うのですが、
その彼女が間宮のアパートで自殺してしまいます。
慌てて死体を山中に埋めようとする間宮でしたが、
気づくと死体が消え失せていました・・・。

まるで夢を見たかのようで、心ここにあらずの状態になってしまった間宮。
やがて間宮は、スマホで撮影した動画を撮影場所に残せるARアプリ「王様の耳はロバの耳(通称ミミ)」で、
死んだ女子高生とウリ二つの“明日香”を発見します。

明日香は「ミミ」内に多くのファンを持つカリスマ的存在。
間宮は彼女の痕跡を追ううちに、
現実と幻想(デジタル世界)の境目を失っていきます・・・。

見ているうちに、なんだか訳が分らなくなってしまいました。
そもそも、この「ミミ」というアプリのことがよく分っていなかった。

つまり、Aと言う人物が、渋谷のハチ公前で何か話をして、その録画をアプリに登録したとします。
次に別の人がハチ公前でアプリを立ち上げてスマホをかざすと、
まるでその場にAがいるように、話を始めると言うわけ。
あ、なるほど・・・。
今になってやっと意味がわかってきた。

明日香はそんな風にして、何十カ所も映像をアップしていて、
明日香のファンはその場所を探すのに夢中になるということなんですね。

ところで、この明日香の投稿が、間宮があの自殺した女と会った日以降途絶えているということが分り、
やはり自分が会っていたのは明日香だったのか?と思う間宮。
しかし、死体が消えた謎は・・・?

デジタルの迷路に迷い込む間宮のストーリー?と思っていたら、
意外にも整合性のつく話に落ち着いていくようです・・・。

分ったような、分らないような・・・。

 

<Amazon prime videoにて>

「鯨の骨」

2023年/日本/88分

監督:大江崇允

脚本:大江崇允、菊池開人

出演:落合モトキ、あの、横田真悠、大西礼芳

 

不可思議度★★★★☆

満足度★★★☆☆