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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

クワイエット・プレイス:DAY1

2024年10月02日 | 映画(か行)

「何か」との戦い、最初の日

* * * * * * * * * * * *

音に反応して人間を襲う「何か」によって人類滅亡の危機に瀕した世界で
沈黙を守って生き延びる一家の姿を描く「クワイエット・プレイス」の第3作。

でもこれは、2作目の後の物語ではなく、
大都市ニューヨークに「何か」が襲来した最初の日に、時を巻き戻して描かれています。

ねこのフロドとともに、ニューヨーク郊外のホスピスで療養しているサミラ(ルピタ・ニョンゴ)。
その日、ホスピスのレクリエーションで、バスに乗ってマンハッタンへ出かけます。
しかし、そんな時、突如として空から隕石が降り注ぎ、
周囲は一瞬にして阿鼻叫喚に包まれます。
そしてその直後に、隕石とともに襲来した「何か」が、人々を無差別に襲い始めるのです。

やがてその「何か」は、音に反応して人の存在を嗅ぎつけることがわかります。
そして、それらは水が苦手であることも。

軍は、マンハッタンにかかる橋をすべて爆破し「何か」をマンハッタンに封じ込めますが、
それは残った人々の逃げ場をなくすことでもあるのです。
やがて、マンハッタン南の波止場から避難船が出ることが知らされ、
残った人々は静々とそちらへ行進を始めますが・・・。

サミラはホスピスにいたことで分るように、余命残り少ないのです。
そのためか、避難船の方には向かおうとしない。
一人別の方へ向かいます。
そんな時にエリック(ジョセフ・クイン)という男性と出会い、
行動を共にするようになります。

本作、エイリアンである「何か」の不気味さ、凶暴さの描写がスゴイのはもちろんなのですが、
サミラの切ない身の上と、それに同情し付き添うようになる
エリックとの心のふれあいが美しく描かれます。

こんな作品にもかかわらず、おざなりではなくきっちりと叙情的。
ちょっと見直しました。
でも、そこをじっくりと味わう心の余裕は第3作目だからこそ。
時系列通り、これが第一作だとしたら、
こんな時になに浸ってるのよ、ということになってしまうでしょう。

続編として成功している作品だと思います。

<Amazon prime videoにて>

「クワイエット・プレイス:DAY1」

2024年/アメリカ/100分

監督:マイケル・サルノスキ

出演:ルピタ・ニョンゴ、ジョセフ・クイン、アレックス・ウルフ、ジャイモン・フンスー

スリル度★★★★☆

叙情性★★★★☆

満足度★★★★☆