妻の才能が勝るとき
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夫・ジョゼフ(ジョナサン・プライス)がノーベル文学賞を授与されることとなり、
夫、息子とともにストックホルムを訪れるジョーン(グレン・クローズ)。
そんな家族に、ジョゼフの経歴に疑問を抱く記者ナサニエル(クリスチャン・スレーター)が接近します。
ジョーンは若い頃から文才に恵まれていたのですが、
女流作家は受け入れられない時代で、作家の夢を諦めていたのです。
同じ道を志す夫婦。
妻の方が明らかに技量が上で才能に満ちている。
しかしその時代、「女流」は極めて世間に受け入れられにくい。
あらあら・・、このパターン、HNK朝ドラ「スカーレット」のキミコ&ハチさんと全く同じ。
私も“八郎沼”なので、ここのところのめり込むように見ているのです・・・。
こんな関係で、夫婦関係は維持できるのか・・・?
いろいろと考えさせられるところです。
そのためか、本作も途中からものすごく興味がわいてきました。
ジョーンは、全く人に読まれないものを書くよりも、
夫の名前を借りてでも人に読んでもらえるものを書きたかったわけですね。
互いの利害が一致し、妻がゴーストライターという関係をずっと続けてきた。
納得ずくではあるのだけれど、しかし互いの気持ちは大きくひずんでいたのです。
妻に負い目がある夫は、その反動で浮気をしまくる。
そして、そのことへの怒りのエネルギーを小説に注ぎ込む妻。
共存関係であり、共犯関係でもある。
では互いに憎しみあっていたのか・・・?
最後のCAの言葉に、はっとさせられます。
「とても絆が強いご夫婦のように思いました。」と彼女は言うのです。
愛も憎しみをも織り交ぜての「絆」。
まさにこの夫婦の関係を言い表すのにぴったりの言葉でした。
若き日のジョーンを演じるアニー・スタークは、グレン・クローズの実の娘だそうです。
こんなことができるので、親子2世代俳優というのも悪くはありません。
<WOWOW視聴にて>
「天才作家の妻 40年目の真実」
2017年/スウェーデン・アメリカ・イギリス/101分
監督:ビョルン・ルンゲ
出演:グレン・クローズ、ジョナサン・プライス、クリスチャン・スレイター、マックス・アイアンズ、アニー・スターク
夫婦を考える度★★★★★
満足度★★★★★
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