不眠症の二人
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オジロマコトさんの同名コミックの実写映画化。
人気上昇中の若手、森七菜さんと奥平大兼さん共演というところがミソの青春ドラマです。
石川県七尾市。
不眠症に悩む高校1年・中見丸太(がんた)(奥平大兼)。
校舎の使用されていない天文台で、クラスメイトの曲伊咲(森七菜)と遭遇。
彼女も自分と同じ不眠症に悩んでいることを知ります。
誰も来ないこの場所は、つかの間睡眠を取るのに調度よかったのです。
これまで話したこともない二人ですが、
この場所の秘密を共有することで絆が生まれていきます。
そして、この天文台へ堂々と出入りできるようにするため、
休部となっていた天文部を復活させることを決意します。
双方共に、不眠症というのにはどうもその原因があるようです。
特に伊咲は体に問題を抱えています。
眠れない理由というのがちょっと切ない。
でも、明るく元気に振る舞う伊咲は、魅力的ですね。
これまで、特に何かに熱中したこともやり遂げようと努力したこともなかった丸太が、
天文部復活のために他の人々に話をしたり訴えかけたり。
少年の成長の様もまたここちいい。
本作をよくある青春モノからほんの少し水をあけているのは、
舞台を石川県としたところでしょうか。
七尾市の橋のエピソードがステキだし、
二人が訪れた能登町真脇遺跡の光景もとても印象的でした。
いずれにしても、この度の地震の被災地。
中で、「このあたりのすぐ横が6000年前は海だった」
と言うようなセリフもありまして、
古から、大きな地殻変動を繰り返していることが想像されました。
揺るぎないはずの大地の、実は水に浮かぶ木の葉のようなはかなさを思います。
環状木柱と星空、宇宙。
人の歴史は宇宙から見れば本の一瞬のこと。
二人が、そしてわたし達が、今を生きていて、人と人との出会いがある
ということの貴重さがわかります。
<Amazon prime videoにて>
「君は放課後インソムニア」
2023年/日本/113分
監督:池田千尋
原作:オジロマコト
脚本:高橋泉、池田千尋
出演:森七菜、奥平大兼、桜井ユキ、萩原みのり、MEGUMI、萩原聖人
ご当地度★★★★☆
青春度★★★★☆
満足度★★★☆☆
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