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チャップリンからの贈りもの

2024年01月29日 | 映画(た行)

非道な犯罪ではなくて、贈りもの

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喜劇王チャップリンの遺体が盗まれたという実際の事件を題材としています。

 

1978年。

冒頭は、刑務所の出入り口から出てくるひとりの男、エディ。
その彼を親友のオスマンが迎えに来ている。
よくあるシーンです。

オスマンは、エディを自宅の横にあるトレーラーハウスに案内します。

オスマンの妻は病で入院中で、小学生の娘と現在ふたりで暮らしていますが、
生活は決して楽ではない。
またトレーラーハウスといってもかなりのオンボロなのですが、
その中に以前のエディの生活用品や本などが運び込まれています。
生活が苦しい中、ここまでしてくれるオスマンに感謝感激のエディ。

さて、そんな頃にチャップリンの遺体がスイス、レマン湖の墓地に埋葬されます。
それを知ったエディはとある計画を思いつき、オスマンを誘います。
チャップリンの遺体を盗み出して、身代金をいただこうというのです。
オスマンは妻の治療費用を払う当てもなく、困り果てていたのです。
ちょうど彼らの暮らしているところがこの墓地にほど近い場所でもあり・・・。

彼らは、墓地で棺を掘り出して、別の場所に密かに埋めます。
まあ、そこまではなんとかうまくいったのですが、何しろ計画はずさんで穴だらけ。

始め、遺体を盗んだと電話でチャップリンの家族や警察に電話をしても、信じてもらえない。
しかし、確かに棺が盗まれていることが確認されます。
するといよいよ、身代金請求の電話をかけるのですが、
同じような電話が他に何件もかかってきているという。
自分たちが遺体を盗んだという証拠は?と問われてしまう・・・。

 

オスマンはもうすっかり弱腰で後悔ばかり。
エディはそれでも強気で、なんとかなると思っているのですが、
そんなことで二人はついに決裂・・・。

 

巨匠ミシェル・グランの音楽が切なくも美しくて、
ちょっとコミカルな作品でありながら、意外にも叙情性を醸し出しています。

それというのも、チャップリンの娘役に当たる人のことばで、
「酷いとか迷惑と言うよりも、父はこの事件をあの世で面白がっているかも知れない」
とありまして、なるほど、
そう考えるのが本作の感想として、しっくりくるなあ・・・と納得。

チャップリンは直接登場しないながらも、彼のことを忍ぶ作品でもあったワケですね。

 

チャップリンが晩年を過ごした邸宅や実際の墓地で撮影。
氏の息子や孫娘も特別出演しています。

良きかな。

 

<WOWOW視聴にて>

「チャップリンからの贈りもの」

2014年/フランス/115分

監督:グザビエ・ボーボワ

出演:ブノワ・パールブールド、ロシュディ・ゼム、キアラ・マストロヤンニ、
   ピーター・コヨーテ、セリ・グマッシュ、ナディーン・ラバキー

友情度★★★★☆

貧困度★★★★☆

穴だらけの犯罪度★★★★☆

満足度★★★★☆



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