“嘘”も時には人を幸せにする
* * * * * * * * *
やはり柳沢教授の少年時代が好きな私。
今回も柳沢少年のエピソードをご紹介しましょう。
第225話「彼女に聞きたくて」
柳沢少年のクラスに転校してきた寺山菊江。
お人形さんのように可愛らしい彼女は、義父が銀幕の大スター五所河原秀雄で、
彼女自身も名子役として多くの映画に出演し、人気が高いのです。
当然のように周りの皆は彼女に対してちやほやするのですが、
柳沢少年だけはいつもの通り。
綺麗なエナメルの靴を履いている彼女に、
「ところで寺山さん
学校の中ではうわばきに履き替えていただけますか?」
凍り付く周りの空気。
柳沢少年はその後皆から無視されるハメになるのですが、
もちろん、彼はそんなことは少しも気になりません。
でも、寺山菊江は更に上手を行っており、
柳沢少年のこの意地悪な発言にもにっこり笑って返す。
ある時柳沢少年は、気になっていたことを彼女に聞きます。
「君は何故常に笑っているのですか?」
彼女はほんの一瞬険しい表情で
「だって、みんなに愛されることが私の仕事なのよ」
この凄まじいまでのプロ意識とプライドに圧倒されます。
けれど、柳沢少年はさらに考える。
では、何も演じていない彼女は一体どこにいるのだろうか・・・
人間観察が好きな柳沢少年、やはり、周囲の同じ年の子供たちからは突き抜けていますね。
でも、今作ではふたりとも年齢相応のところも見せてくれるので、楽しい作品になっています。
第228話「未来を生きる君たちへ」
クリスマスのお話です。
柳沢家では子供たちが大騒ぎ。
サンタクロースはいるか、いないか、口論になっているのです。
妹則子はサンタはいるといって譲らないのですが、
柳沢少年は超現実的なので、ハナからサンタは信じていません。
弟次郎は、お兄ちゃんを尊敬しきっているので、
兄がいないというなら、いないのだと思っています。
柳沢少年は夢いっぱいの妹に向かってこう言います。
「今夜はプレゼントはありません。
なぜならお父さんが長崎への出張から戻ってくるのは2日後だからです」
まあ、あまりにも身も蓋もありませんね・・・。
私も実は幼い頃にサンタの存在について、
近所の男の子と大げんかをしたことがあります。
もちろん私は「サンタはいる」派。
・・・でも実は薄々いないとわかっていたような気もします。
ただ、『いる』という夢を共有したかったんですよね・・・。
さて、ところがクリスマスの朝、
ちゃんとプレゼントが置いてあったのです。
そんなはずはない・・・と思いながらも柳沢少年は、
自分宛のプレゼント、心から欲しかった船のプラモデルを手にして、
どんどん心が高揚していきます。
その謎はやがて解けるのですが、
柳沢少年は『嘘』も時には人を幸せにすることを知るのです。
さて一方、現在。
孫の華子ちゃんが、柳沢教授の娘、世津子に
「サンタなんていない」
と言われて泣いています。
教授曰く
「いないと証明できない以上、いる可能性は否定できません」
・・・いいお話ですね!
「天才柳沢教授の生活 33」山下和美 モーニングKC
満足度★★★★☆
![]() | 天才 柳沢教授の生活(33) (モーニング KC) |
山下 和美 | |
講談社 |
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やはり柳沢教授の少年時代が好きな私。
今回も柳沢少年のエピソードをご紹介しましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
柳沢少年のクラスに転校してきた寺山菊江。
お人形さんのように可愛らしい彼女は、義父が銀幕の大スター五所河原秀雄で、
彼女自身も名子役として多くの映画に出演し、人気が高いのです。
当然のように周りの皆は彼女に対してちやほやするのですが、
柳沢少年だけはいつもの通り。
綺麗なエナメルの靴を履いている彼女に、
「ところで寺山さん
学校の中ではうわばきに履き替えていただけますか?」
凍り付く周りの空気。
柳沢少年はその後皆から無視されるハメになるのですが、
もちろん、彼はそんなことは少しも気になりません。
でも、寺山菊江は更に上手を行っており、
柳沢少年のこの意地悪な発言にもにっこり笑って返す。
ある時柳沢少年は、気になっていたことを彼女に聞きます。
「君は何故常に笑っているのですか?」
彼女はほんの一瞬険しい表情で
「だって、みんなに愛されることが私の仕事なのよ」
この凄まじいまでのプロ意識とプライドに圧倒されます。
けれど、柳沢少年はさらに考える。
では、何も演じていない彼女は一体どこにいるのだろうか・・・
人間観察が好きな柳沢少年、やはり、周囲の同じ年の子供たちからは突き抜けていますね。
でも、今作ではふたりとも年齢相応のところも見せてくれるので、楽しい作品になっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
クリスマスのお話です。
柳沢家では子供たちが大騒ぎ。
サンタクロースはいるか、いないか、口論になっているのです。
妹則子はサンタはいるといって譲らないのですが、
柳沢少年は超現実的なので、ハナからサンタは信じていません。
弟次郎は、お兄ちゃんを尊敬しきっているので、
兄がいないというなら、いないのだと思っています。
柳沢少年は夢いっぱいの妹に向かってこう言います。
「今夜はプレゼントはありません。
なぜならお父さんが長崎への出張から戻ってくるのは2日後だからです」
まあ、あまりにも身も蓋もありませんね・・・。
私も実は幼い頃にサンタの存在について、
近所の男の子と大げんかをしたことがあります。
もちろん私は「サンタはいる」派。
・・・でも実は薄々いないとわかっていたような気もします。
ただ、『いる』という夢を共有したかったんですよね・・・。
さて、ところがクリスマスの朝、
ちゃんとプレゼントが置いてあったのです。
そんなはずはない・・・と思いながらも柳沢少年は、
自分宛のプレゼント、心から欲しかった船のプラモデルを手にして、
どんどん心が高揚していきます。
その謎はやがて解けるのですが、
柳沢少年は『嘘』も時には人を幸せにすることを知るのです。
さて一方、現在。
孫の華子ちゃんが、柳沢教授の娘、世津子に
「サンタなんていない」
と言われて泣いています。
教授曰く
「いないと証明できない以上、いる可能性は否定できません」
・・・いいお話ですね!
「天才柳沢教授の生活 33」山下和美 モーニングKC
満足度★★★★☆
もちろん私は「サンタはいる」派。
私も、まったく 同じ経験をしております!それも小学2年生のころです(笑)。
理屈っぽくて可愛げのない子供でしたが、浮世離れしていたのでしょう。
当時、サンタさんからのプレゼントは、いつも 本 でした(笑)。
そうですよね、本好きの子はきっと「サンタはいる」派ですよね。夢見がちというか、現実離れしたことでもすごく身近に感じることができたのだろうと思います。
私のクリスマスプレゼントには、いつも必ず新しいクレヨンが入っていた記憶があります。絵を書くのも好きだったんですよ・・・。
今もクリスマスには、サンタがプレゼントをおいて行ってくれないかなあ・・・などと密かに思ったりします。来ませんけど(^_^;)