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「中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟 」 中銀カプセルタワービル保存再生プロジェクト 

2016年07月21日 | 本(その他)
隠れ家の趣き、なんだかいいなあ

中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟
中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト
青月社


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銀座の名建築「中銀カプセルタワービル」の魅力あふれる写真をふんだんに掲載。
狭小空間を活用する住人たちへの取材を通して、
建築としての価値を再確認・再発信するビジュアルファンブック。


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中銀カプセルタワービル、
銀座にあるそうなのですが、私はこの度初めて知りました。
東京にお住まいの方なら、「ああ、あれね」と思うのでしょうか。
1972年にできた黒川紀章設計のもの。
この一風変わったビルの趣に興味を惹かれて手にとってみました。


こういう写真を基調とした本を見るのは大好きなのですが、購入するには高すぎる。
そうだ、こういうものこそ図書館利用!というわけです。


丸い窓の「箱」というか「カプセル」が140個組み合わされているというこのビル。
一つの床面積はわずか10平方メートル。
カプセルをまるごと取り外し交換できるようになっているそうなのですが、
これまで実際に交換されたことはないのだとか。
ところが、十分なメンテナンスを施さないままに四十数年を経て、
ビルは老朽化甚だしく、取り壊しの話も出ていたところ、
カプセル内をリノベーションし、徐々に再生の動きがあり、
最近注目されているということなのです。


わずか10平方メートルの部屋をどう使うか。
事務所として使う人、セカンドハウスとする人、そして実際に居住する人、
様々のようです。
でもこの狭さが、「隠れ家」的な要素を醸し出し、
なんとも居心地が良さそうなのですね。
この丸窓も、この狭さからくる貧乏ったらしさを一掃しています。
とはいえ、雨漏りが酷く、空調も暖房もない。
(個人的にエアコンを取り付けている方が多いようです。
と言うかそうじゃなければいられないでしょう・・・。)
窓も開かない(!)。
お湯が出ない。
かなり劣悪な条件のようで・・・。
なかには前居住者の荷物がそのままになった殆どゴミ屋敷のようなカプセルもあったそうで、
でも、そこを片付けすっきりとリノベーション、
その前後の写真なども大変興味深い。
このビルのことはネットでも色々調べることができますので、
興味のある方は是非、検索してみてください。


「中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟 」中銀カプセルタワービル保存再生プロジェクト 青月社
満足度★★★★☆
図書館蔵書にて


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