映画と本の『たんぽぽ館』

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きさらぎ駅

2023年06月30日 | 映画(か行)

非日常的行動でたどり着く場所

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2004年、はすみと名乗る女性が
この世に存在しない「きさらぎ駅」にたどり着いた体験を
ネット掲示板にリアルタイムで投稿していたが、
突然書き込みが止まったことで、様々な憶測を呼び、
現代版神隠しとして、話題となる・・・

それから十数年後、大学で民俗学を学ぶ堤春奈(恒松祐里)は、
この都市伝説を卒業論文の題材に選びます。
調査の末、ようやく「はすみ」の正体である女性と連絡が付き、
彼女の元を訪ねて話を聞くことに。

 

春奈は、彼女がどうやって「きさらぎ駅」に行ったのか、そこで何があったのか、
そしてどうやって戻って来たのか、詳しく話を聞き出すのです。

そして卒論を進めるために、春奈は、
きさらぎ駅にたどり着くという手順をそのまま再現してみます。

きさらぎ駅へ行くためには、「何時何分発のどこ行きの電車に乗る」と言うことではなく、
何時何分のAの電車でBまで行って、
そこからC電車で引き返してDまで行って、E電車に乗る・・・
というような手順を正しく踏まなければならないのです。
通常はまずあり得ない乗り換え手順・・・。

なるほど、非日常的手順で、異界へたどり着くというのがなかなか興味深い。

春奈は、聞いた話で「きさらぎ駅」で起こることを知っていたので、冷静に出来事に対処。
本来ならそこで死んでしまう人物を、助けたりさえします。

つまりは春奈は本作中のヒーロー的存在なのか・・・というように見ていたのですが、
ラストでビックリ。
思わぬどんでん返し・・・。
やられたって感じです。

終始不気味な雰囲気と、ラストのどんでん返しを、楽しませてもらいました。

 

「きさらぎ駅」

2022年/日本/82分

監督:永江二朗

脚本:宮本武史

出演:恒松祐里、本田望結、莉子、芹澤興人、佐藤江梨子

ホラー度★★★.5

どんでん返し度★★★★☆

満足度★★★.5

 



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