「ない」はずのモノは届けられるのか・・・?
注文の多い注文書 (ちくま文庫) | |
小川 洋子,クラフトエヴィング商會 | |
筑摩書房 |
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サリンジャーの「バナナフィッシュにうってつけの日」、
村上春樹の「貧乏な叔母さんの話」、
内田百聞の「冥途」など、
5つの物語に登場する“この世にないもの”を小川洋子が注文し、
クラフト・エヴィング商會が探し出す…。
はたして「ない」はずのものは、注文主に届けられるのか?
現実と架空が入り混じる世界で、
2組の作家が想像力の火花を散らす前代未聞の小説。
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先に、クラフト・エヴィング商會の「ないもの、あります」という本を読んだことがあり、
本作は、小川洋子さんが「では、これはどうか!」という感じで、
クラフト・エヴィング商會に注文書を突きつけるという仕掛けになっています。
注文のあったその品物は
「人体欠視症治療薬」、「バナナフィッシュの耳石」、「貧乏な叔母さん」等々・・・。
一見して訳がわからないものばかり。
つまりその「注文書」自体がストーリーとなっていて、
しかも、川端康成、D.J.サリンジャー、村上春樹などの小説と絡めてある、
というのがさすが小川洋子さんの手腕であります。
しかもサリンジャーに村上春樹というチョイスが私にはど真ん中!!
そしてクラフト・エヴィング商會のステキな写真付きの納品書。
こんな珍奇な注文にどう答えるのか、というのが見物です。
時には時を超える「時間差郵便」なんていうモノが出てきます。
これはあるといいですよねえ・・・本当に。
なんともナイスな本なのでした。
「注文の多い注文書」小川洋子&クラフト・エヴィング商會 ちくま文庫
満足度★★★★☆
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