映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「短編宝箱」集英社文庫編集部編

2023年01月09日 | 本(その他)

おせち料理のようなアンソロジー

 

 

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眠れない夜。
久しぶりの旅行。
のんびりしたい休日
……どんな時も寄り添ってくれるもの。
それは、一編の物語。
スリリングな大人の駆け引きにはらはらしたり、
初恋に胸をときめかせたり、
家族や友達との特別な絆に涙したり。
2010年代、「小説すばる」に掲載された様々なジャンル
──ミステリから時代小説まで──
の短編作品から厳選。
人気作家たちが紡ぐ宝物のような11編で、最高の読書時間を!

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アンソロジーは、それ一冊で様々な作家に出会えて、豪華でちょっとウキウキします。
まるでお料理料理の重箱みたいに。
でも、一冊ですぐにお腹いっぱいになってしまって、もうしばらくはいいや
・・・と思ってしまう。
私にとってはいつもそういう感じです。

本巻も、まあ、たまにはいいかな?と思ったことと、
執筆陣があまりにも私好みだったもので・・・。

敬称略ですが・・・
朝井リョウ、浅田次郎、伊坂幸太郎、荻原浩、奥田英朗、
西條奈加、桜木紫乃、島本理生、東野圭吾、道尾秀介、米澤穂信

 

ところが、私の好きな作家ばかりということで、ほとんど読んだことのあるものだった・・・。
まあ、当然と言えば当然ですが、そこまで考えていませんでした。

いつも私は読めばすぐに忘れるタイプ、と思っていましたが、
意外と覚えているモノですね。

まあ、ディティールは覚えていないのですが、どこか既視感があるという感じ。
それだけ印象に残るできのよい短編であるとも言えるかもしれません。
そしてこの場で改めてまた読めたことも、悪くはないです。

 

また、いくつかはそれぞれの作家の人気シリーズの中の一篇だったりするのは嬉しいです。

米澤穂信さんの「ロック・オン・ロッカー」は「本と鍵の季節」から。
堀川と松倉が一緒にヘア・サロンに行くという印象深い一作。

東野圭吾さんの「それぞれの仮面」では、
ホテルコルテシア東京が舞台で、勤めてまだ4年の山岸尚美が登場します。

桜木紫乃さんの「星を見ていた」は、
釧路郊外のラブホテル「ホテル・ローヤル」に関連するストーリー。

人混みの雑踏で思わぬ旧友に出会ったような気分。
まあ、こういうのもいいですね。

 

まあだから、やっぱりたまに読むアンソロジーもよし、ということにしておきましょう。

 

「短編宝箱」 集英社文庫編集部編 集英社文庫

満足度★★★★☆

 


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