映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

めんたいぴりり

2020年06月28日 | 映画(ま行)

めんたいこ秘史

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辛子明太子を日本で初めて製造・販売した「ふくや」の創業者・川原俊夫をモデルとした物語。
2013年に放送された同名テレビドラマの劇場版でもあります。

昭和30年代、戦後最大の引揚港であった福岡。
焼け跡となっていた中洲で食料品店「ふくのや」を開業した海野俊之(博多華丸)。
彼はこの地の山笠祭りと同じくらいに、明太子作りに情熱を傾けています。
大陸生まれ・大陸育ちの海野夫妻(妻・富田靖子)は、
釜山でよく食べていた明太子の味が忘れられないのです。
俊之は試行錯誤をかさね明太子の味を改良していきますが、
そもそもこの地では元からなじみのない食べ物なので、
街の人たちにはなかなか受け入れられません。
そんなあるとき、俊之は息子の同級生である英子の境遇を知り・・・。

明太子のルーツは朝鮮でありましたか・・・って、考えてみればまさに当たり前の感じですが。
とにかくこの、俊之さんのお人柄が凄いのです。
底なしのお人好しといいますか、台風で住むところを失った人を家に呼んでごちそうする。
返してもらうあてがほとんどなさそうな人にもお金を貸す。
明太子が少し評判を呼び売れるようになれば、
その作り方を惜しみなく他の業者にも教える・・・。
こんなだからこの家はちっともお金が貯まりません。



でもこうした俊之の考え方は、戦争体験が元になっていたのです。
兵役で飢えて多くの仲間を失い、命からがら帰ってきた。
だから今は、誰でもおいしいものをお腹いっぱい食べてほしいという気持ち。
同様の体験をした人は多くいると思うのですが、
その気持ちを貫き、実行する人はそう多くはいませんよね。



明太子に隠された秘密。
とても面白く拝見しました。
文句を言いながらも、この夫を理解し、賛同する奥さんも立派!!
無性に明太子でご飯をわしわしと食べたくなります。
ご愛敬で、スケトウダラ役で出てくる大吉さんもナイス。

<WOWOW視聴にて>
「めんたいぴりり」
2019年/日本/115分
監督:江口カン
出演:博多華丸、富田靖子、斎藤優、柄本時生、でんでん、博多大吉

明太子秘話度★★★★☆
男の生き様度★★★★☆
満足度★★★★☆

 



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