映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

窓ぎわのトットちゃん

2024年10月11日 | 映画(ま行)

こんな時代にもあった、個性を尊重する教育

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黒柳徹子さんが自身の子供時代を綴った往年のベストセラー
「窓ぎわのトットちゃん」のアニメーション映画化です。

好奇心旺盛でお話好きな小学生1年のトットちゃん。
あまりにも落ち着きがなくて教師の手に負えないということで、
学校を退学させられてしまいます。
そこで、東京、自由が丘にあるトモエ学園に通うことに。

トモエ学園は、小林校長先生の元、子どもの自主性を大切にする教育を展開しています。
何より、教室が廃車となった電車というのがトットちゃんは大いに気に入って、
毎日元気に通い始め、そこでのびのびと成長していきます。

今なら、トットちゃんは発達障害のナントカという症状名を付けられていたかも知れません。
けれどここでは「ちょっと変わった子ども」。

トモエ学園は、他にも事情のある子どもたちも多く、
それぞれの個性を尊重して1人1人の興味ややりたいことに意義を認めてくれるのです。
こういう校風が、子どもたちの間でも互いの個性を認め、
尊重し合い助け合うことにつながっていくのでしょう。

トットちゃんのお父さんは、オーケストラのコンサートマスター。
一般的な親ならば、トットちゃんのような子どもに対して、
叱ったり諫めたりするかも知れません。

けれどもここの両親もまた、子どもの個性を大切に思い尊重するという人たち。
学校がトットちゃんを受け入れられないのなら、
受け入れてくれる学校を探しましょう、ということですね。

そしてトットちゃんもいつまでもただの落ち着きのない子どもではなくて、
命のこととか大人の世界の事情とか、少しずつ学んで成長していきます。

しかし、時代は次第に軍国主義の波に飲み込まれていきます・・・。
トットちゃんのお父さんにとっても理不尽につらいことが・・・。

今、改めてアニメ化というのにも意義のある作品だと思います。

<WOWOW視聴にて>

「窓ぎわのトットちゃん」

2023年/日本/114分

監督:八鍬新之介

原作:黒柳徹子

出演(声):大野りりあな、小栗旬、杏、滝沢カレン、役所広司

教育のあり方を考える度★★★★☆

満足度★★★★☆

 



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