発明は終着点ではなくて、ビジネスバトルの出発点
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19世紀アメリカ。
電気の誕生による新時代。
エジソン(ベネディクト・カンバーバッチ)は白熱電球の事業家を成功させています。
一方、実業家ウェスティングハウス(マイケル・シャノン)は、交流式送電の実演会を成功させます。
直流式送電を進めようとしているエジソンは
「交流は危険」だというネガティブキャンペーンを繰り広げますが・・・。
訴訟、駆け引き、裏工作・・・、あらゆる手を使って繰り広げられるビジネスバトル。
科学技術は発明すればそれで終わりではなく、
そこからまた別の戦いがあるということなんですね。
便利さを広げようという思いはもちろんあるのだけれど、
それよりもまずシビアな「お金」の問題。
直流か、交流か。
まるで大統領選挙のように、アメリカの州別地図に形勢がその都度浮かび上がります。
まさにこれは戦争。
こんな大発明を成し遂げながらも、エジソンは常に資金繰りに困っていたようです。
資本主義の社会はキビシイ・・・。
けれど作中の合間合間に、「映画」へとつながるシーンが挿入されていますね。
エジソンの後世へとつながるもう一つの偉大な発明が、見え隠れ。
ここのところは心憎いです。
また、このビジネスバトルの裏に、
死刑執行のための電気椅子の開発が行われたというのを興味深く思いました。
「電気椅子」で思い出すのは、映画「グリーンマイル」だったでしょうか。
それこそこの初期の電気椅子の処刑の様子が描かれていて、
苦痛がひどく、絞首刑以上に残酷なものになっていました・・・。
エジソンの交流は危険だという主張を受け入れた上の電気椅子の開発ということで、
なんとも皮肉なことではあります。
<WOWOW視聴にて>
「エジゾンズ・ゲーム」
2019年/アメリカ/108分
監督:アルフォンス・ゴメス=レホン
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、マイケル・シャノン、ニコラス・ホルト、キャサリン・ウォーターストン
満足度★★★☆☆
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