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おいしい給食 Road to イカメシ

2024年09月24日 | 映画(あ行)

給食愛がダダモレ

* * * * * * * * * * * *

「おいしい給食」劇場版の第3弾。

1989年、北海道函館の忍川中学に転勤してきた教師・甘利田幸男(市原隼人)。
例によって、給食が何よりの楽しみで学校に通っています。
ここに転勤したことで、とあるメニューが給食になることを楽しみにしているのですが、
いまだに登場していません。


さて、甘利田の給食におけるライバルは、生徒の粒来ケン。
甘利田は給食時間中、一人心中で、粒来とバトルを繰り広げているのでした。

甘利田は自らの給食愛を周囲に気づかれないようにしているつもりなのですが、
しかしそれは誰から見てもダダモレ。
クラスの副担任である新米教師・比留川愛は、
そんなところも含めて、甘利田に好意を抱いているようなのですが・・・?

 

そんな時、町長選挙を前に、忍川中が給食完食のモデル校に選定され、
政治利用されようとしていました・・・。

町長(石黒賢)は、子どもたちに食べ残しのない「完食」を強要したり、
グループを作らず一列に並び、まっすぐ前を向いて黙って食べる
・・・などといつの時代の話?という提案をして無理強いするのです。
そしてある時は給食創始期のメニュー、
パサパサのコッペパン、カチカチの塩引き鮭、脱脂粉乳などを出したりする。

甘利田は反感を持ちながら、一応宮仕えなので、我慢していましたが、
こんなのおかしいと声を上げたのは、あの粒来くんなのでした。

町長の主張は、一体いつの話?と思えるのですが、そうか、1980年代の話。
ということなら、まだそんな主張をする人がいてもおかしくないのか、と思ったりします。

 

そしてあの、悲しき「脱脂粉乳」。
実は私、小学生時代に少しの間函館市に住んでいたことがあって、
そのときに給食で脱脂粉乳を体験しています。

私は特別好き嫌いはなかったのですが、あの脱脂粉乳だけは大嫌いでした。
とても人間が食べるものとは思えないイヤな匂いと味。
作中で子どもたちが鼻をつまんで飲んでいましたが、
まさに、そうでもしないと飲めたものではありません。
ちなみに、同時期札幌市では牛乳がでていました。
転校して脱脂粉乳に出会ってしまった衝撃は、いまだに忘れることができません・・・。

余談でした。

給食時になると妙に浮かれて、とてもまともには見えない甘利田ではありますが、
しかしその実、子ども思いの、並み以上に大人な人物なのであります。
でもお酒には極度に弱くて、少し飲んでしまった翌日は、
前の夜のことは何も覚えていない。
しかしどうも何か失敗をやらかしたらしい・・・と、自分で怯えてしまう。
そしてまたほんの少し芽生えかけたロマンスの行方も・・・。

と、これらのことは本作中のほとんどお約束なんですね。

こんな変な市原隼人を見ることができるのも本作ならでは。
いいんじゃないでしょうか。

 

 

「おいしい給食 Road to イカメシ」

2024年/日本/111分

監督:永森裕二

出演:市原隼人、田澤泰粋、六平直政、高畑淳子、小堺一機、石黒賢

給食愛度★★★★★

満足度★★★.5



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