あまくない砂糖の話

ジュースにはご用心

＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊

ドキュメンタリー映画は久しぶりかもしれませんが、
やはり気になるこの話題・・・、ということで。


オーストラリアのデイモン・ガモー氏が自らを実験台として、
砂糖を食べ続けるとどうなるのか、それを記録していく作品です。



低脂肪ヨーグルト、雑穀バー、フルーツジュース・・・
これらは一般には健康的と言われていますが、
実は大量の砂糖が含まれています。
それで知らず知らずのうちに普通の人でも
一日スプーン40杯の砂糖を摂取しているというのです。



そこで、ガモー氏はその1日スプーン40杯の砂糖を2ヶ月間摂取し続け、
その心身に現れる影響をみるという実験をはじめました。
すると・・・あっという間に体重・体脂肪は増加するし、
肝臓にも良くない影響が・・・。
この間、彼は以前と同じように運動を続け、ジャンクフード的なものは食べず、
カロリーだけ見るとこれも以前と殆ど変わっていない。
それにもかかわらず・・・という結果が出ます。
特に、米国へ渡り、殆ど企業の陰謀とも言えるような
「清涼飲料水」の売り方を暴いてゆくところは圧巻です。



結果として特に注意すべきなのは、ジュースやコーラのたぐいです。
果物100％ならいいなんてことはまったくなくて、
その果汁コップ一杯分に一体何個の果物が使われているかを考えれば、
糖分の多さは想像がつきますよね。
人類にとって太古、甘いものはごく貴重で、
だから、それを摂取したときには全力でそれを取り入れるように、私たちの体はできているそうなのです。
ところが現代は、ごく簡単に甘いものが手に入ってしまう。
だからすぐに摂取過剰になってしまうというわけ。
気をつけましょう・・・。



ところで、本作の公式ホームページに、
ガモー氏のこの実験以前の食事内容が出ていました。
すると、ごはんがないのはもちろんですが、
パンとかシリアル、パスタ類もありません。
つまり炭水化物を極力とっていないのが彼の通常のスタイル。
この実験ではそれもいきなり食べ始めたから・・・、
砂糖だけではなくて、その影響もあったのではないかなあ・・・と、ちょっと思いました。



そうそう、この実験を終えて、元の食生活に戻すのが大変だったそうです。
まるで麻薬のように、しばらくは体が甘いものを求めて止まないのだとか・・・。
まあ、いずれにしても、気をつけるのに越したことはなさそうです。


「あまくない砂糖の話」
2015年/オーストラリア/102分
監督：デイモン・ガモー
出演：デイモン・ガモー、ゾーイ・タックウェル＝スミス、スティーブン・フライ、イザベル・ルーカス、ブレントン・スウェイツ

警鐘度★★★★☆
満足度★★★☆☆