映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

LUCY ルーシー

2014年09月04日 | 映画(ら行)
生命の証



* * * * * * * * * *

台北のホテルでマフィアの闇取引に巻き込まれてしまうルーシー(スカーレット・ヨハンソン)。
彼らは人間の体内に薬物を詰め込んだ袋を埋め込み、密輸しようというのです。

そんなこととはなんの関わりもないルーシーでしたが、
つまらぬことから引き込まれ、無理やり袋を埋め込まれてしまうのです。



罠にかかる寸前のネズミ。
ヒョウに襲いかかられる寸前のカモシカ・・・。
そんな映像が挟まれるのがユニーク。
普通ならそうなる寸前に救い主が現れるのですが、
ここでは哀れルーシーは彼らの餌食になってしまう。
そしてさらに悪いことには、その袋から薬物が彼女の体内に漏れだしてしまうのです。
そのことでルーシーの体内でとんでもない変化が・・・!!


普通の人の脳はその10%しか機能していないそうなのです。
ところがルーシーの脳はどんどん覚醒を始め、
超人的な力が開放されていきます。
たった一人の脳が100%機能したからといって
ここまで超人的なことができるとはとても思えない・・・
というのが正直なところではありますが・・・。
それでもルーシーが力を発揮していくのはちょっとカッコイイ。



「人類を救うのか、滅ぼすのか?」
という文言がポスターにありますが、
なんだかちょっと違うような気がします。
ルーシーは次第に感情をなくしていくとはいえ、
初めから一般の人を傷つけるというような意図はなかったですよね。
ノーマン教授(モーガン・フリーマン)にコンタクトを取ったのは、
彼女の溢れ余る頭脳をどうすればいいのか、教えを請うためでした。

「知識を残し、伝えること」
それこそが生命の証なのではないかと教授は言うのです。
その後のルーシーは、だからその目的のために突っ走る。
人類を滅亡させる意図などなかったと思えるのですが・・・。


それにしても空中を飛び交う電波まで見えるのだったら、
うるさくて仕方がないでしょうに・・・。
それだけでも気が狂いそうな気がしますが、
100%全開の脳は、瞬時にそれぞれを理解し、
本当に必要な物だけをより分けられるのだろうな・・・。
そのへんまではまだ分からなくはないけれど、
どうして時間をさかのぼったりもできるのかはよくわからない・・・。
それとも、それはあれでしょうか。
現在の身の回りのすべての情報から過去を推測し、
あのような完璧な映像で自分の中に再現できる、
ということなのかもしれません。
ルーシーは、もはや「神」でした・・・。



彼女が最後の命を燃やして残したデータが、
今後どのように活用されるのか、されないのか・・・、
実は私はそれが逆に災いの種になるような気がして仕方ありません。
私達がその「知識」を得るには、まだ早過ぎるのです、多分。
・・・などと考えたら続きの物語ができそうですね(^_^;)

「LUCY ルーシー」
2014/フランス/89分
監督・脚本:リュック・ベッソン
出演:スカーレット・ヨハンソン、モーガン・フリーマン、チェ・ミンシク、アムール・ワケド、ジュリアン・リンド=タット

斬新さ★★★☆☆
満足度★★★★☆


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