えっ、なんのこっちゃ?
共同親権と『無人島のディーバ』どんな関係あんだ?
見た人にゃわかるさ。
が、まずその前に、
女優に惹かれて見続けたのって、『無人島のディーバ』が最初かもしれない。
台本書き兼演出としちゃ、何より脚本、設定とか、ストーリー、エピソードが気になって仕方ない。それと、セットとか装置とか衣装とか、たまに、カメラとか。
主役、パク・ウンビン、出て来てすぐピピンだぜ、あの大ヒット作『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で、自閉症スペクトラムの天才弁護士を演じた役者だって。役の作り方、歩き方とか仕草とか、で一発的中!えっ、そんなの常識?
たしかに、他にも気に入った作品あったはず、ってチェック、おぉっ!『ストーブリーグ』も彼女だった。うーん、いい作品、出続けてるよ、パク・ウンビン。
明るくて前向きで、空気を読まず、世間の逆風ものともせず突き進んで行く、役柄が彼女自身の性格や顔立ちにぴたりはまって、見る者を元気にするし、幸せにするんだぜ。
10数話すべてクライマックスは歌のシーン、どれも、泣かせる筋立てで歌わせてる、素晴らしいねぇ、って、それもパク・ウンビンが歌ってるって、ほんとかよ!?
他にも脚本の見事さとか、唸らせる演出とか、盛りだくさんで、毎晩、楽しみに見続けた。『スタートアップ』のコンビだったって、うーん、なるほど、突拍子もない設定を、それもありだね、って仕上げる力量、今回も生きてる。終わった時には、モクハ(主人公の女性)ロスみたいになったりして、ジジイが、笑っちゃうね。
と、まず、女優賛美が終わったところで、無人島の少女から大ヒット歌手への成功物語を裏でがしっと支えるてるのが、DV父親からの逃亡って筋立てだったのさ。
少女が生まれ育った島を出る決心をするのも、それを必死の覚悟で支援する少年も、どちらも父親からの凄まじい暴力に耐えかねての行動だった。少女の父は、逃げる娘を追って連絡船から海に飛び込み、溺死。
少年の方は、母親、兄弟とともに、逃亡し、たどり着いた土地の役場職員の手引きで戸籍を詐称して生き延びる。
どちらの父親も、暴力に走らざるを得ない背景も語られるのだが、決して許しはしない。一人無人島に生き延びた娘は父親の死に感傷的になったりせず、すっきりした、と言い放つ。いいぞ、DV親父になんて同情するな!
一方少年一家は見捨てられた父親の怨念凄まじく、ストーカーとなり、暴漢となり、家族の幸せな暮らしを破壊することを人生の目標に思い定めて、じわじわと迫って行く。この恐ろしいDV男の破壊衝動と粘着力、これが、幸せなサクセスストーリーの陰に不穏をもたらし続ける。その緊張感が、ドラマを見応えあるものにしているんだ。
で、やっと冒頭の文に戻って来たぜ。
今国会で、共同親権なんてもんが議題に上がろうとしてるんだが、「親子が共同で子育てするのって、当たり前」なんて上っ面のきれいごとに騙されちゃなんねえってこと言いたいのさ。
夫、父親のDVの凄まじさ、陰湿さ、家族外からは見通せないその悲惨な現場、そういう実態に敢えて目をつぶって、家族は一緒、話し合いで子育てを、なんて通用しないんだって。
DVの実態が明らかになれば、片親親権も可能、なんてきれいごと言ってるが、被害を証すること自体が難しいって、被害者側の声をよくよく聞かないとな。DV野郎てのは、狂暴犯の面構えしてるわけじゃなく、社会性豊かないい人だったりするし、言葉の暴力や精神的圧迫には外傷なんて見つけられない、ってことさ。
まず、この『無人島のディーバ』見て、嫉妬と憎悪と復讐心に駆られた男の姿のおぞましさ、それに怯える元家族の恐怖心をじっくり見てから議論しろよって話しさ。
暴力振るう男に弁解の余地も、同情心も無用だぜ。
消えて良かった、死んでくれて助かった!
このドラマの吹っ切った描き方、グッジョブだぜぇ!
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