京都市は2月12日、市文化財保護審議会の答申を受け、長沢蘆雪 (1754-1799)筆の紙本墨画「張旭揮毫図(ちょうきょくきごうず)」(襖絵4面、各縦167cm、横91cm)(公立学校共済組合蔵)を市指定・登録文化財にすることを決めた。
同図は昨年6月、右京区嵯峨の公立学校共済組合保養所「花のいえ」(京都市右京区)の蔵から見つかった。落款から、晩年の寛政(1789~1800)後期の頃の作とみられる。蘆雪の襖絵は各地に所在するが,本拠地の京都ではこれまで作例が知られておらず、員数は少ない。
杜甫の詩「飲中八仙歌」の中で酒豪八仙の一人に登場する、唐代の書家・張旭を墨でのびのびと描く。
絵には酒瓶を持った童子が登場し、その横に、張旭が筆を手に紙に向かう姿を描写。筆の先から雲煙のような書が立ちのぼり、ろうそくの炎が揺れている。風になびく炎や薄闇の表現に蘆雪独特の画風がみられる。
保養所は江戸初期の豪商角倉了以(すみのくらりょうい、1554-1614)の邸宅を改築したもので、角倉家に伝わっていた可能性が高い。
泉万里・京都市文化財保護審議会委員(日本絵画史)が鑑定し、作品の特徴や落款から芦雪の作品と判断した。
襖絵は6月頃に同保養所内で公開する。
[参考:2009.3.2読売新聞、2009.2.12京都新聞、京都市文化市民局]
張旭(生没年不詳)
中国・唐代中期の書家。「二王」の王羲之と王献之の書風に真正面から異を唱え、書道界に改革の旋風を巻き起こすきっかけとなった。
大酒豪として知られる。吉備真備は彼に学んだと伝えられる。
酒豪が描いた酒豪の襖絵…芦雪作、京都で確認(読売新聞) - goo ニュース
同図は昨年6月、右京区嵯峨の公立学校共済組合保養所「花のいえ」(京都市右京区)の蔵から見つかった。落款から、晩年の寛政(1789~1800)後期の頃の作とみられる。蘆雪の襖絵は各地に所在するが,本拠地の京都ではこれまで作例が知られておらず、員数は少ない。
杜甫の詩「飲中八仙歌」の中で酒豪八仙の一人に登場する、唐代の書家・張旭を墨でのびのびと描く。
絵には酒瓶を持った童子が登場し、その横に、張旭が筆を手に紙に向かう姿を描写。筆の先から雲煙のような書が立ちのぼり、ろうそくの炎が揺れている。風になびく炎や薄闇の表現に蘆雪独特の画風がみられる。
保養所は江戸初期の豪商角倉了以(すみのくらりょうい、1554-1614)の邸宅を改築したもので、角倉家に伝わっていた可能性が高い。
泉万里・京都市文化財保護審議会委員(日本絵画史)が鑑定し、作品の特徴や落款から芦雪の作品と判断した。
襖絵は6月頃に同保養所内で公開する。
[参考:2009.3.2読売新聞、2009.2.12京都新聞、京都市文化市民局]
張旭(生没年不詳)
中国・唐代中期の書家。「二王」の王羲之と王献之の書風に真正面から異を唱え、書道界に改革の旋風を巻き起こすきっかけとなった。
大酒豪として知られる。吉備真備は彼に学んだと伝えられる。
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