最初このニュースを見たとき、何のことかわからなかった。
毎日新聞ウェブサイトによれば、金沢市の北陸大学が2007年度入試から、「国内すべて」の「全日制高校」を「指定校」にするそうだ。高専を含めるとその数何と5238校。
学校にあった資料で北陸大学を調べてみた。Yahooでも調べてみた。(Yahoo!ステップアップ)
薬学部(1975)
未来創造学部(2004)
外国語学部(1987)
法学部(1992)
4学部ある。カッコ内は創立年。1975年創立時は薬学部単科大学。
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何でこんなこと考えたのかな。毎日によれば、北陸大は「学生に意欲があり、教育の中身がしっかりしていれば能力はついてくる」志願者増を期待しているそうだ。文部科学省と高校のコメントも出ていた。
文科省
「他に聞いたことがない」
…僕もだ。
ある都立高の男性教諭
「『高校生なら誰でもいい』としか聞こえない。生徒に配る指定校一覧表には載せなかった」
…同感だな。
北陸大の来年度募集定員は506人。薬学部と未来創造学部で全国の高校を指定校にして計200人を募集。
出願期間は10月10日~20日。
選抜方法は面接のみ。定員以上の応募があった場合は選抜を行う。
北陸大学長は、将来的には一般入試廃止も検討しているという。
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文句をつけることが目的ではないが、これは大学自体の社会的評価を考えると、問題もしくは劇薬だろう。
指定校枠というのは、大学から高校へ過去の進学実績から与えられるものであると高校教師は考えるし、それが普通だと思う。出願した生徒は合格させることが前提で、出願希望者の校内選抜はかなり気を使うものである。募集定員を超えたら選抜をするのであれば、普通の推薦入学である。名前だけ指定校(推薦)入試にするというのは、言葉が厳しくなるが、姑息である。そんなエサをばらまいても、集まらない場合は集まらない。指定校枠で出願すれば、入学金免除とか言い始めたら、専門学校並みである。
勤務校でも進学実績がほとんどない大学から、指定校推薦枠を突然いただくこともあった。これらは過去の実績からいただくものではなく、学校基本調査かなにかで進学者数がある一定数を超える学校に送られてくるものなのかなって感じていた。指定校資料などにも、はっきりと、生徒集めのためだと判断できると書いたこともあった。しかし、それでもこの北陸大のように、網羅的ではない。
記事にも、代ゼミ入試情報センター本部長のコメントが出ていた。
「一部の大学は、入試が選考ではなく、単なる募集になっている」
そのとおりだと思う。これは、まずいと思う。
それから、定時制の存在を無視したやり方は大変なミスだと思う。定時制の状況がわかっていないと思う。定時制には進学を希望するものがいないと思っている。そう見なされても文句は言えない。こんな簡単なことに目配りもできないのだとしたら、ちょっと恐ろしい。
大学進学率2年連続50%越え、全入予測の2007年度入試まで後数ヶ月。えらい時代になったものだ。