この言葉の次に来るのは通常は、学校(大学・短大・専門学校)の閉校である。ここ数年の大学の閉鎖・廃校の状況を見てみる。
募集がうまくいかないから、学部学科再編をする。それでも学生が集まらないと、募集集停止。そして在学生の卒業と同時に閉校というプロセスになる。ただし、あくまでも募集を止めているだけで、学校自体は即閉校とはならない。募集停止をしている学部にも在校生はいるのだから、あたりまえである。でも、実質的にその学校はその役割を終え、閉鎖に向かう。少なくとも高校の先生はそう思う。
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2010年度以降学生募集停止の兵庫県・尼崎市の聖トマス大学に、新学部開設計画がある。何となくそんな話しは耳にしていた。でも、ホントかなと思っていた。
同大学は、2010年、2011年と、学部・大学院とも募集を止めている。現在の学部在学生は3年生、4年生のみ、大学院は博士課程まであるので、在学生がいる状態だと思う。大学自体はこのまま行けば、2年後閉校と考えていた。
調べてみたところ、噂のレベルではなく、ホントに平成24年度新学部を開設計画があるようだ。2年間のブランク(募集停止状態)の後に、学生募集を再開することになる。でも、従前の学部では募集がうまくいかなかったのだから、既存の学部を改編して学生募集をすることになる。だから新学部ということだ。
大学の学部・学科の設置当たっては、学位の種類や分野を変更しないなどの一定の要件に該当すれば、あらかじめ文部科学大臣に届け出ることにより、認可を要せずに設置することができる。新規に学問分野の違う学部学科を作るのとはあつかいが違うのだ。現在同大学は人間共生学部を開設している。この学部はには、多文化共生学科(英語文化専攻、文化共生専攻)、人間発達学科、人間文化学科がある。これを、計画にある国際教養学部と健康科学部(同大学ウェブサイトに出ている)に改編することは、高校の先生の知識程度でも何となくわかる。
多文化共生学科
人間文化学科
→ 国際教養学部
人間発達学科
→ 健康科学部
もちろん現在の学生定員(1学年)がそのまま横滑りにはならない。おそらく最初は減らして募集になるだろう。せっかく募集再開するのだから、うまくいってほしいものだ。
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追記:6月25日
2011.06.18、「平成23年5月末申請の大学の学部等の設置等認可の諮問について(6月分) その1」で取り上げたとおり、聖トマス大学が学部設置認可申請を出したことがわかった。認可申請を出したということは、学位の種類や分野を変更しないなどの一定の要件には、当てはまらないということになる。