以下は、昨年9月18日、「埼玉県、大学病院を誘致 整備計画を公募」の続きである。
埼玉県は以下のように公募した。
①発表日:2014年10月20日14時
病院整備計画の公募について
部局名:保健医療部
課所名:保健医療政策課
担当名:医学部調査・政策企画担当
担当者名:(2名)
内線電話番号:(省略)
直通電話番号:048-XXX-XXXX
Email:(省略)
埼玉県の医療は救急や周産期などの喫緊の課題に加え、全国一のスピードで進む高齢化に伴う医療需要への対応という課題があります。
これらに対応していくためには、病床の整備が必要であることから、国に対して基準病床数の算定方法の見直しを強く求めてきました。
この結果、国から直近の人口で再算定することが認められたことから、第6次埼玉県地域保健医療計画を変更し、基準病床数の改定を行いました。
そこで、医療計画に基づき、病院等の整備計画について、次のとおり公募します。
1.応募条件
次の条件をすべて満たすこと
(1)大学附属病院の整備であること
(2)医学系大学院を併設する計画であること
(3)県内の医師確保が困難な地域などへの医師派遣に積極的に協力すること
(4)平成30年3月までに着工すること
※自治体等からの支援を予定(希望)している場合はその旨を病院の整備計画申出書(病院整備基本計画)に記載すること
2.対象医療圏
全ての二次保健医療圏
(南部、南西部、東部、さいたま、県央、川越比企、西部、利根、北部、秩父の10医療圏)
3.計画の受付期間
平成27年1月5日(月曜日)~1月30日(金曜日)
①の公募について、過日発表があり、以下のようになった。
②発表日:2015年1月30日17時
病院整備計画の応募状況について
(部局名等は上記①と同じなので、省略する。)
病院整備計画の公募について、平成27年1月5日(月)から1月30日(金)まで受け付けたところ、大学附属病院及び大学院などを設置する病院整備計画の応募がありました。
1.応募件数
2件
2.今後の予定
地元市や関係者との調整、医療審議会の意見などを踏まえて、この計画を採用するかどうか決定する予定です。
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あらためて気づいたことは、担当部局が埼玉県保健医療部であること。学校(大学院設置)が絡んでも、いわゆる主担当は教育局ではない。
応募があった。それも複数である。4日朝刊各紙記事によると、応募したのは以下の二つの大学を運営する法人。
①順天堂大学
②日本保健医療大学
今後、県が計画内容を審査し県医療審議会の意見を踏まえ、3月をめどに事業採用の是非を決定する。以下埼玉新聞記事(2/4付)他から引用、要約である。
①はさいたま市緑区と岩槻区にまたがる土地約7.3ヘクタールを予定。埼玉高速鉄道・浦和美園駅から北東に約1kmの場所。
浦和美園地区に医学部付属病院と医師養成大学院(医学研究科・総定員240人程度)を設置。付属病院の病床数は約800床。看護学校も設置する計画。
②は購入予定の旧県立幸手高校跡地の約5ヘクタールを活用する予定。
600床規模の付属病院を整備する計画。医学部設置と併せ、大学院の設置認可を申請する予定。現在、日本保健医療大学は看護学部のみの単科大学。大学院も未開設。
記事によれば、『医師不足の解消を目指す県は、昨年度からさいたま市と共同で、順天堂大学病院の誘致を進めてきた。これをうけて大学側が正式にさいたま進出を決めた。計画が採用されれば2020度内の病院完成を目指す。』とのこと。何だかこの書かれ方だと、まるで「できレース」だ。ただし、具体的な構想、実現可能性(順大にはすでに医学部がある)で、順大が一歩リードの感じは否めない。順大の計画が採用された場合、看護学校も開設されることになる。
看護学校とは、看護専門学校のことだろう。さいたま市緑区か岩槻区に、高校生が進学できる「看護師養成のための教育機関」が新規に開設されることになる。僕が現役教師であるうちに間に合うことではないが、注目していきたいと思う。
赤字部分にもあるように、順天堂大学の計画が認められたならば埼玉県とさいたま市、日本保健医療大学の計画ならば、少なくとも幸手市の公金が運営法人に入る可能性がある。誤解されたくないので、先に書いておく。公金投入そのものに異議はない。
3年ほど前に取り上げたことだが、埼玉県が県立大学に医学部を設置・運営する場合について、県議会で質問された上田知事は、『医学部新設に当たっては附属病院が必要。』ということを前提に、以下のように答弁している。
『建設費として700億円程度の初期投資、運営費として最大で年間65億円程度の補填が必要。
これが埼玉県(県立大学法人)が直接大学の医学部と附属病院を設置する場合の費用(建設費、運営費)負担の『覚悟額』であると思う。
上記学校法人が整備計画の公募の際、『自治体等からの支援を予定(希望)している場合は。。。』とあって、希望しないわけがない。支援の要請にどの程度こたえることになるのか、それは補助金か、それとも公有地の無償貸与等か。この件についてもチェックしていきたい。
次は3月の事業採用の可否決定である。