以下の表を見てください。
この課で学ぶこと(ねらい) | 主な言語材料/活動 | 時間 |
小学校で育まれたコミュニケーション能力の素地を確認する。 | 基本表現 単語,アルファベット 発音とつづり |
6 |
●あいさつの仕方を知る。 ●I am ~. / You are ~. の表現を理解し,使う。 ●自己紹介をしたり,気持ちや状態を伝えたりする。 |
I am / You are ~.(肯定,疑問,否定) | 3 |
音声に注意しながら数字を表す語を身につける。 | 語彙(数字) | 1 |
あやまる会話をする。 | I’m sorry. | 1 |
●人やものの紹介の仕方を知る。 ●This/That is ~. / What is this? / She/He is ~. などの表現を理解し,使う。 ●人や身近なものについて説明する。 |
This / That is ~.(肯定,疑問,否定) What is this? She / He is ~. |
3 |
音声に注意しながら曜日を表す語を身につける。 | 語彙(曜日と教科) | 1 |
時刻をたずねたり,時刻を説明したりする会話をする。 | What time is it? | 1 |
●好きなものの紹介の仕方を知る。 ●I play ~. / Do you ~? などの表現を理解し,使う。 ●好きなものや好きなことについて説明する。 |
I play ~.(肯定,疑問,否定) What do you have ~? |
3 |
音声に注意しながら一日の生活を表す動詞句を身につける。 | 語彙(1日の生活を表すことば) | 1 |
三省堂の「平成28年度版NEW CROWN 指導・学習内容一覧(Book 1)」から抜粋
小学校の外国語活動(先行実施で英語授業)を前提に、中学校1年生の4月と5月で、これだけのことを学習する。授業配当時間は20時間(授業20回)である。これが学校で、できていない。
令和2年度の中学校英語検定教科書は6社6種。教科書ごとに学習項目の提示順はやや前後しても、検定教科書である以上、各学年で学習することがらに大きな差異が出ないように教科書は設計されている。1年生の1学期の学習項目は、小中ギャップが極力でないように特に配慮・工夫がされている。結果としてどの教科書でも大きな差はできない。
NEW HORIZON(東京書籍)の年間指導計画資料(1年)も読んでみたが、授業配当時間が20時間であり全体の印象も大差ない。
三省堂と東京書籍の資料を読み、あらためて感じた。
『これは、大変だ。
そして、怖ろしさも感じた。日本中の中学校1年生、少なくとも公立中学校の1年生は、これらを教室で学ぶ機会が現在確保できていない。もしもこの状況が、6月当初に学校が再開して、なんらかの転換を見ないのならば。
・・・大変である。
この状況、英語だけではなく、全教科である。そして中学校だけではなく、日本中の各校種各学年で、それぞれ同じ問題がある。
課題で補えるか、Onlineで補えるか、夏休みを授業にして補えるか。学習内容は学校で授業があることが前提である。残念ながら同じようには不可能だ。現状、せめて課題で、生徒も先生も可能な限りがんばるしかない。