双葉町の先生方が加須市立騎西小学校、同騎西中学校で勤務するに当たり、県教委と福島県教委の結んだ協定について、調べてみた。
17日、「双葉町の先生たちが避難先学校に着任」のつづきである。
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1.双葉町のの教員身分は両県の併任とする。
2.給与は福島県が支給する。
3.加須市教委が服務上の監督をする。
この他にもあるのかもしれないけど、報道で出てくるのはこの三つのようだ。なお、任期は平成23年度末まで。ホントに今年度末で併任が解かれるようになってほしい。解かれるということは、少なくとも双葉町に戻れる目処が立つということになるはずだから。
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今回の異例の人事、根拠法規は教育公務員特例法である。改めて読み直してみた。
第3章 服務(兼職及び他の事業等の従事)
第17条 教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第37条第1項に規定する県費負担教職員については、市町村(特別区を含む。以下同じ。)の教育委員会。第23条第2項及び第24条第2項において同じ。)において認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができる。
2 前項の場合においては、地方公務員法第38条第2項の規定により人事委員会が定める許可の基準によることを要しない。
まあ、教員採用試験には(絶対)でなそうな条文ではある。管理職登用試験はわからないけど。。。
今回の事例を、第17条に照らし合わせてみよう。
教育公務員(双葉町立小中学校教諭)が、教育に関する他の職(加須市立騎西小学校、同中学校教諭)を兼ねる(=同時に二つの仕事をする、身分を持つ)ことが、本務(双葉町立小中学校教諭としての仕事)に支障がないと、任命権者(福島県教育委員会)が認めた場合、本務の身分を残したまま、埼玉県加須市立騎西中学校、同小学校の先生として勤務することができる。
給与に関しては、福島県が負担する。
実質的に双葉町の小中学校は休校状態なので、騎西小、騎西中で仕事をしても本務に支障はない。ただし、服務の監督権限、責任は加須市教育委員会にある。双葉町の先生方は、それぞれの学校で、双葉町の生徒のことだけをやっていいというわけではない。杓子定規に考えるとだけど。
加須市のウェブサイトを見てみたところ、こんなことが書いてあった。
『加須市の災害情報および対応状況(平成23年5月16日現在)』
『5 福島県双葉町への主な支援』
(3)就学等支援
〇騎西中央幼稚園へ19人転入。
双葉町の幼稚園教諭3人を併任。
〇騎西小学校へ90人転入。
双葉町の非常勤講師2人を併任。
〇騎西中学校へ61人転入。
双葉町の英語指導助手1人を併任。
〇加須市内の保育所へから8人(いわき市3人、双葉町5人)入所。
16日から、小中学校の6人の先生方が併任になる前に、幼稚園教諭、小学校の非常勤講師、中学校の英語指導助手は併任と、数日前にウェブサイトを見たところ書かれていた。今月1日付情報。
本当に、本当に、本当に、大変な事態である。
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教育公務員の任命権者の規定
地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年6月30日法律第162号)
第37条
市町村立学校職員給与負担法(昭和23年法律第135号)第1条及び第2条に規定する職員(以下「県費負担教職員」という。)の任命権は、都道府県委員会に属する。
2 前項の都道府県委員会の権限に属する事務に係る第26条第2項の規定の適用については、同項第四号中「職員」とあるのは、「職員並びに第37条第1項に規定する県費負担教職員」とする。/p>
営利企業等の従事制限の規定
地方公務員法(昭和25年12月13日法律第261号)
第38条
職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
2 人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。
なお、各法律条文において、数字は漢数字である。