<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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日経ビジネスの表紙に「成果主義の逆襲」のキャッチが。

成果主義を中途半端に導入したため極度の業績不振に陥り、昨年同業他社に買収されるまでは、

「ちょっと販売するのを考えたほうが良さそうだ」

と真剣に考えてしまうような取引先があった。
この取引先、現在もなお売上に苦戦しているのだが、買収した元の会社がかなりの大手なので、とりあえず安心してうちの会社も商品を卸し続けている。

この成果主義導入の失敗。
傍目から見ていて「こんな単純なことも、ここの経営トップはわからないのか」というような内容だった。
世襲制の経営陣がビジネス本をそのまま模倣したような「似非米国式システム」を導入したため、社員に会社に対する不審が発生。
業績が下がり始めて人員整理をしようと早期退職者を募ったら、出来る人から辞めていって、営業成績は益々下がった。

成果を挙げればちょっとだけ評価し、成果が上らなければ容赦なくペナルティーを課す。
こういう状況で会社全体の成績を上げることなんか出来るわけがない。
しかし、そこは世襲制。
ビジネス本は正しいとばかりに持論を展開して、ついに自らも退任する羽目に陥ってしまった。
誠にもって労使ともお気の毒としか言いようのない惨状だった。

日経ビジネスに取り上げらていたのは、そういう悲惨な例ではなく、成果主義のなんたるかを理解して、独自の日本式成果主義を作り出して成功した事例集だ。

正直いって、今回の記事は目からうろこだった。

「成果主義は成功でしたか?」
のアンケートで気を引かれ、先ほどの取引先の例を思い浮かべながら読み進んでいった。

結局、社員すべてを同じルールに則って評価することなど不可能で、ビジネス本よろしく、コンサルのような社外の人間の言いなりになっていると、成功は望めないということがよくわかった。
とりわけ花王の毅然とした態度。
「コンサルタントの意見も聞きますが、その通り実施することはありえない」
というもの。

会社は人の集まりで感情によって結び付けられているもの。
簡単に成果主義だけでかたの着くものであるはずもない。

そういうことを理解しないで成果主義での成功などありえないことがよくわかる記事なのであった。

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