駐北京の日本大使・丹羽宇一郎に批判が集まっている。
東京都が尖閣諸島を購入するのは中国を刺激し国益を損ずる、というのが主張だ。
この領土問題をさておいて商売だけのことを考えて発言するのは「伊藤忠の代弁者」と言われてもしかたのないところはあるだろう。
領土問題は日本の主権と大きく関わりのある所で、これを無視して外交は不可能。
大使という仕事は商社マンではなくて外交官なのであるからにして、言わなければならないところをどのように主張するのかは、外交に携わる人達の重要な職務だ。
それを無視して、「無用な刺激を与える」というのであれば、こういう人は民間企業だけで生きていればいいのではないか、と思えるのも日本人としての人情だ。
同じビジネスマンでもかつての日本人は違った。
その代表がソニー創業者の一人、盛田昭夫で、この人は長年ソニーアメリカの社長を務めていたと同時に現地のラジオ番組にも多数出演。
折しも日米貿易摩擦が物議を醸し出していた時にラジオのトークショーで「日本は悪い!」という聴取者からの意見に対して、堂々と日本の主張を貫き、アメリカ人を唸らした話は有名だ。
そのためにソニーの売上は下がったのかというと、そうではなく、当時は世界で最も人気のあるブランドに成長し、その後映画産業でも最大の会社になったのであった。
ソニーの凋落は保険や銀行に手を染めて、どこにでもいい顔を始めたからに他ならない。
ということで、中国大使には御用商人ではなくて、石原慎太郎東京都知事を個人的に推薦したいのだが、....笑えないか。
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