<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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「気分転換に関空でも行ってお茶でもしよか」

疲れがピークに達して、まったくやる気が失せてしまった休日の午後。
何をするのも面倒で、ただただぼんやりとしていたい。

こういう時は私は自動車を走らせて関西空港に行くことにしている。
関西空港のスタバやドトール、サンマルクカフェなどで味わうコーヒーと、国際空港という独特の雰囲気、関空の適当に空いているショッピング&レストラン街が日常の超マンネリした雰囲気を少なからず緩和してくれるからだ。

今の関西空港は以前問題になっていたように「閑古鳥」が離着陸する最悪の事態は回避され、今では成田に次ぐ日本の玄関口としての賑わいを徐々にではあるが確固たるものにしている。
しかしながら、羽田空港の完全国際化でその地位が微妙なものになっているのも確か。
成田空港ほどではないにせよ、都心から電車で最速30分もかかる関西空港は都心にある羽田空港はちょっとした営業上の脅威ではある。

関西人としてはいささか心配事だ。

そういうことも考えながら、先日羽田空港国際線ターミナルを偵察してきた。
いつも利用している第二ターミナルから無料のシャトルバスで行ってきたのだ。
するとなんと、あちらも関空に負けず劣らぬ閑古鳥が鳴いていたのだ。
首都東京の空港であるにも関わらず、関空とは現在のところ引き分けのようだ。
いずれにせよ、東京にしろ大阪にしろ国際空港がガラガラというのは国力の低下の証拠でもあるので、好ましいことではないのである。

ところで、関空の活況は何も伊丹空港と経営が統合されるからでも、橋下市長が知事時代に大鉈を振るったからでもない。
次々に就航するエアラインの新顔が客をひきつけ活気が満ちてきているのだ。

ジェットスターアジア。
スカイマーク。
スターフライヤー。
ジェットスター。
などなど。

格安航空会社が次々と就航している。
渋ちん関西人にはピッタリのLCCだ。

中でもピーチエアは全国的に注目されたANA系列のLCCで、本社はなんと酔狂なことに大阪にある。
今やパナソニックもサントリーも武田薬品も丸紅も伊藤忠商事も、大阪の企業は大阪には「影武者本社」だけ残してみんな東京に本社機能を移転。
にも関わらず、ピーチエアは大阪に拠点を据えているのだ。

その勇気あるピーチエアは営業開始以来、予想を上回る数字を上げているとかで、その出発ゲートになっているアエロプラザは関空で最も閑古鳥が盛んに鳴いていたところだけに大いに気になっていたのだった。

「エアロプラザ、行ってみよか?」
私は嫁さんを伴って、関空の西側のビル、ホテル日航も入っているエアロプラザに向かった。



関空ターミナルビルからエアロプラザに続く連絡橋はピーチエア一色なのであった。
幟もピーチエア。
広告もピーチエア。
トランク転がして歩いている人もピーチエアに乗り込むためか搭乗券片手にトコトコと歩いている。
やがてエアロプラザに入ってみると相変わらずの閑古鳥だったのだが、ただひとつ違うのは、そこはピーチエアの搭乗手続きカウンターが並んでいるという、これまでにない光景なのであった。



手続きはセルフサービスらしくカウンターは見当たらない。
出発の時刻表も電光掲示板ではなく、ただの掲示板。
このようなただの掲示板は東南アジアの地方空港にでも行かない限り最近は見たことのないもので、LCCはなかなかな親しみを持ているアジアンチックな雰囲気が漂っていた。

周囲にはイタリアンレストランやとんかつ屋、蕎麦屋などもあり、今後ピーチエアを利用する乗客の時間つぶしの場所として利用客も増えることであろう。

とりわけイタリアンレストランではビジネス街の居酒屋よろしく「500円セット」なども用意されていて、グラスワインとおつまみを楽しみながら飛行機の出発を待つ、なんてこともできて旅の楽しみは益々増してくることであろうと思われると、私もどこかへ行きたくなってきたのであった。
福岡天神。
札幌すすきの。
嫁さんを同行しながら、良からぬことだけは考えないことにして旅のプランを色々想像してはワクワクした。



ということで、気がつけば不抜けた精神的な疲れも癒されていた。
関空での気分転換、LCCはそんなことにも役立つスグレモノなのであった。
未だ乗ってませんけど。

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