昨日、東京出張から大阪に帰ろうと羽田空港で飛行機を待つ間、Macbookにスイッチを入れてSafariを立ち上げたら何やらムービーが始まった。
真っ白なバックに真っ暗な画面で何が始まるんだろうと待ち構えていると、画面に若き日のスティーブ・ジョブズが映し出された。
10月5日。
スティーブ・ジョブスの一周忌なのであった。
Apple社を創業したスティーブ・ジョブスは二十歳そこそこで巨万の富を築きあげ頂点に立った。
ところが、それからわずか10年もしないうちに財産のほとんど失いどん底を経験した。
やがて創業した会社が明日にも潰れそうだと言う時に持株のインセンティブだけの給料無しで復活し、アップル社を世界最大の資産価値のある会社に変身させた。
CNNは「次のスティーブジョブスは現れるのか」と特集を組んで、ハイテクのカリスマの穴を一体誰が埋めるのか。
注目を集めている。
アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾスか。
フェイスブックのマーク・ザッカーバーグか。
それともアップルのティム・クックか。
いずれにしても、スティーブ・ジョブスの穴を埋めるには少々役不足の感があるのは、Macユーザーでなくても感ずるところだ。
ジョブスはパソコンを生み出したハイテク創業期の一人であり、かつその中からライフスタイルを生み出した唯一の実業家で、しかも映画や音楽の世界にも革命を起こした風雲児なのだから。
ところで、企業のカリスマがいなくなると、どんなすごい会社でも転落を始めるのは世の常なのか。
盛田昭夫を失ったソニーは独創性を無くして、夢のないただの大企業になってしまった。
本田宗一郎を失ったホンダは若者の心を捉える車を作れなくなって、ただどこにでもある普通のバイクと自動車のメーカーになった。
ビル・ゲイツが引退したマイクロソフトは攻めの心を失って守り一方、OSビジネスも崩壊を始めている。
そしてアップル。
カリスマを失ったアップルはわずか1年で、
「アルミ塗装は剥げて当たり前」
「地図は改善するよう全力を上げている」
と、看板の新製品iPhone5で世界の顰蹙を買っている。
歴史にもしもはないけれど、もし完璧主義者のジョブスがいれば、こんな製品は絶対に出さないだろうマヌケ製品を世にリリースしてしたという失態を犯した、と言われれかねない事態を引き起こしている。
羽田空港の真ん中に大王製紙の工場を表示するマップ機能はスマホの何たるかが分からないスタッフがアップルに現れている証拠かも知れず、ある種の恐ろしさが臭ってくる。
ジョブスの一回忌。
カリスマに頼らず独創性を継承するアップルを期待したいMacユーザーの私なのであった。
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