<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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人というのは自分の夢を空想しては楽しむクセがあるものだ。
特に男はそうかもしれない。

私は子供の頃、自分が「仮面の忍者赤影」に登場する忍者のひとりであったら良いのにと、よく夢想したものだ。
半ズボンに半袖シャツ。プラスチックの刀を背中に差して、「◯◯影参上!」と言っては、木に登ったり走り回ったり、コケたりした。
なかでも、華々しく登場したにも関わらず、イザというときに背中から刀が抜けないのに往生した。
刀の長さが長すぎて、子どもには抜くことができないのであった。
なぜテレビの赤影にはできて、私にできないのか。
この不条理には無性に腹がたったのを今も鮮明に覚えている。
余談だが、最近の子どもは何故おもちゃの刀で遊ばないのか。
映画などでアメリカ人のガキが刀を振り回して「Ninja!」なんて叫んでいるのを見ると、どちらが日本か分からなくなってしまい、正直悲しい。

また、スペクトルマンを見た時も同じだった。
私も怪獣Gメンのメンバーになって活躍したいと思ったものだ。そしてネビュラ78に向かって「変身願います」と言ったら変身させてもらえるんではないかと思ったものだ。
で、「ネビュラはどこ?」と真剣になって探したこともある恥ずかしい履歴がある。
さらにジャイアントロボのように腕時計に向かって「行け!ジャイアントロボ」と言ったら命令通り動くロボットがあったらいいのに、とも思った。
そうすれば□組の▽▽君をやっつけてもらうのに、などと夢想したのだった。

この夢想癖は中学になっても若干残ってしまい、深夜放送のSFテレビ番組を見てからは、
「ん~~~、『学校まで転送!』してくれたら便利やのに。でもそれって、非論理的やな」
と、オタク志向とものぐさ志向を助長することになた。

だいたいこういう夢想癖は「男はつらいよ」の寅さんのようにおとなになっても続く人がいるが、だいたいそれをネタにしたり、リアルな行動に移すことはない。
移せば変人扱されることは間違いなく、社会的地位も、家族も何もかも失ってしまうこと、これ畢竟だからなのである。

ところが、この夢想を実行に移してしまった大人が現れた。
よりにもよって東大の研究員だ。

「iPS細胞を使って手術しました」
なんて言っていたのは守口尚史特任研究員。
自称ハーバード大学客員講師。

東京大学というところ、日本の最高学府だがこういう妄想癖の人を研究員としてラインナップしているところはかなり情けないといえるのではないだろうか。
「勢いで嘘をついてしまいした」
とも言っているようだが、これが4月1日のニュースなら「あはははは」で済むけれど、ハーバード大にメイワクをかけて、東大に恥をかかせたこの責任はどうとるのか。
しかもそんな記事を真実思って載せてしまった読売新聞の記者の今後が最も注目されるニュースでもある。

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