窓が広いということは飛行機の中の密室性をかなり緩和することがわかった。
B787はこの要素だけでも快適さが他の飛行機に比べて格段にアップしているのだが、他にも数多くの快適要素があることが時間の経過とともにわかってきた。
出発後、エプロンを「ドコドコドコドコ.......」と走って行く時の乗り心地は他の飛行機と大した違いはなかった。
しかしタクシーウェイから滑走路に入るときに大きく右に進路を変えると、外の景色を左右両方の窓から眺めることができて、はっとするほど、かなり壮観だ。
デイタイムの離陸とこともあり、機内が外からの光でかなり明るい。
自然光は心まで明るくしてくれるので嬉しくなってくる。
やがてチャイムが3回「ポン♪ポン♪ポン♪」と鳴った。
「間もなく当機は離陸いたします。シートベルトをもう一度チェックしてください」
のアナウンスとと同時に、轟音とともに離陸のために滑走を開始した、というのが他の飛行機であろう。
ところがこのB787は轟音は轟音でも、えらい静かなのだ。
シートに背中が抑えつけられる強さは同じようなものだから、きっと加速度は変わらないのだろう。
でも耳をつんざくようなゴーっというような音は大きくなく、隣でボソボソ話していたらその話し声も明瞭に聞こえそうないの音の大きさなのだった。
つまりB787は少なくとも機内は静かな飛行機なのであった。
静かなのは車輪を収納する音も静かなのであった。
同じような新型であってもA320は車輪収納時は、
「ウォンウォンウォンウォン」
とどこかの通貨のように安っぽい音がする。
そもそもエアバスの飛行機はナショジオのドキュメントを見ていても車輪の収納取り出しには少々問題があるようで、数年前に見た番組では最新型のA380開発途中で車輪の収納に苦労していたのを見たことがあり、かなり心配の要素ではある。
それと比べてB787はというと、車輪を収納する音はまったく聞こえなかったのであった。
ちなみに羽田着陸の時は車輪の出る音は少し聞こえたが、その動作音よりも風切り音の方が大きかったくらいで、米国の技術は欧州よりも安心感がある。
ジュラルミンよりもカーボンファイバーのほうが遮音性に優れているのだろうか、とも思った。
それとも本体サイドにロゴが輝くロールスロイス社製のエンジンがいいのか。
いずれにせよ、B777と比べても静かなB787は、国際線の長いフライトでも他の機種と比べて快適だろうことを予測させた。
天気が良かったので地上の景色が素晴らしい。
大阪空港を離陸すると左旋回して尼崎市、伊丹市上空をグルっと回って一路東に向かう。
新幹線が、名神高速道路が、淀川が、まっすぐ京都盆地へ向かって伸びているのがよく見えた。
天気が良いので私の座っているA席は直射日光が入らないが、反対側は眩しいだろう、と見てみると、おお!ブラインドならぬ窓ガラスが濃い青色に変わってシャードの役目を果たしていたのだった。
噂に聞く、B787の窓の濃度調整機能が動作していたのであった。
この窓の色の濃さを調整するのは窓の下部分に装備されたボタンを操作するだけ。
この機能はロックを施し、飛行中に時差の関係で太陽が照っているのに窓をガラッと空けられて、
「眩しいやんけ!」
と睡眠を妨害されるという不満を発生させないことも可能だという。
ともかく、B787はどれもこれも新鮮の塊であった。
そういえば、照明も新幹線N700系に似た光の粒がポツポツ見えるLED照明を使用していた。
つづく
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