ふたたび、
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睦月二日、黄水仙―revert
冬麗、そんな晴れた空は。
「あれ…?」
声ひとり零れて仰ぎ見て、額そっと風ふれる。
視界おおう梢は黒い、その彼方あざやかな青と白。
黒と青と白、ただ三つの色彩どこか懐かしくて、額ふれる風ほろ苦い。
―雪の匂いだ、湿った土と、
ほろ苦い香あわい風、足もと微かな氷ふむ。
かさり、かさっ、靴底あわい霜柱くずれて進む。
地中から凍てつく畑の道、山あおぐ梢に青も白もただ懐かしい。
「…ただ畑の匂いなんだけど、」
ひとりごと唇ほろ苦い香、土が雪が匂う。
吹く風やわらかな冷気は山から奔る、そんな昼下がりの畑が甘く香った。
「お、」
声ひとつ、香の底に黄色ゆれる。
あわい色彩やわらかい、ゆれる黄色あわく甘く微笑んだ。
「…春だなあ?」
雪これから、そんな正月の畑に春が咲く。
そうして廻る日月ただ待ちわびて、君?
季節の彩り 108ブログトーナメント
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1月2日誕生花スイセン(黄色)
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睦月二日、黄水仙―revert
冬麗、そんな晴れた空は。
「あれ…?」
声ひとり零れて仰ぎ見て、額そっと風ふれる。
視界おおう梢は黒い、その彼方あざやかな青と白。
黒と青と白、ただ三つの色彩どこか懐かしくて、額ふれる風ほろ苦い。
―雪の匂いだ、湿った土と、
ほろ苦い香あわい風、足もと微かな氷ふむ。
かさり、かさっ、靴底あわい霜柱くずれて進む。
地中から凍てつく畑の道、山あおぐ梢に青も白もただ懐かしい。
「…ただ畑の匂いなんだけど、」
ひとりごと唇ほろ苦い香、土が雪が匂う。
吹く風やわらかな冷気は山から奔る、そんな昼下がりの畑が甘く香った。
「お、」
声ひとつ、香の底に黄色ゆれる。
あわい色彩やわらかい、ゆれる黄色あわく甘く微笑んだ。
「…春だなあ?」
雪これから、そんな正月の畑に春が咲く。
そうして廻る日月ただ待ちわびて、君?
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黄水仙:キズイセン、花言葉「私のもとへ帰って、もう一度愛して」
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