萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

寒空に春

2019-01-26 11:47:31 | 写真:花木点景
冷えこんだ朝、うすぐもり燈る梅一輪。
花木点景:白梅


薄日あわい白梅の静かなカンジはモノクロいいかなあと、笑
撮影地:神奈川県2019.1

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睦月二十五日、椿ーModest love

2019-01-26 00:41:10 | 創作短篇:日花物語
静謐に寛いで、
1月25日誕生花ツバキ


睦月二十五日、椿ーModest love

…ことん、

障子戸かすかに透かす音、それから縁側ひそやかに消える音。
古い木あわく軋んで遠退いてゆく、もうじき角を曲がるだろう。

ほら?茶が香る。

「うん…」

微笑んで腕を伸ばして、かたり雪見障子ひらく。
ふわり清々しい馥郁かすめ紅色が映る、艶やかな常緑あわい紅が咲く。
凛と冴えた空気まばゆい花の縁側に盆ひとつ、ダークブラウン深い艶の床から取り上げた。

「お…めずらしいな?」

盆のうえ一掬と一皿、湯呑と菓子皿に茶が香る。
やわらかな馥郁に皿の上、艶やかな餡餅くるむ常緑の葉がなつかしい。

「よく見つけたなあ…作ったのかな?」

白磁やさしい皿の上、古伝の菓子あまく匂う。
万葉の頃はるかに伝わる古い菓子、そんな一皿しずかな心に微笑んだ。

「いつも声もかけないなあ…君は?」

盆に茶と菓子を運ぶ、それすら妨げまいと気遣う君。
その祈り支えられて座る文机、資料ひろげた原稿用紙そのまま湯呑とった。

「あったかいなあ…」

ほら、清雅やわらかに香る。
椿:ツバキ、花言葉「敬愛、ひかえめな愛、誇り、謙虚な美徳」


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