萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚67

2014-04-19 01:01:07 | 雑談寓話
こんばんわ、眠いです、
なので「Savant」の校正途中だけど気分転換にコッチ書きます、
この雑談もバナー押して下さる方いらっしゃるならってカンジで続き載せてます、楽しんでもらえてますか?



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚67

12月24日が終わる頃、道端で御曹司クンは泣いていた。
泣きじゃくって縋るよう抱きついて泣く、ホント小さい子供みたいだった。

「っ、ばかっ…だったら俺もー泣き止まないからなっ…ばか、おまえやっぱSでばかだっ…」

ばかバカ言いながら泣いて抱きついてくる、
そんな泣声が昔になってしまった泣顔を思い出させて、記憶の貌にちょっと謝った。
今だけ少しだけ胸貸させてやって?そんなこと墓参りの相手に想いながら記憶の声を追いながら、現実の泣声は泣いていた。

「ほんとばかだおまえっ…なんで優しくするんだよー…ばかっ、ばかでだいすきだ…そばにいてよやめっ…ないで」

泣きじゃくる声が言ってくる言葉は嗚咽しゃくっていて、笑
それでも何言ってるのか解るけど黙ってトリアエズ泣かせて、縋ってくれる体温がコート透かして温かくて、
12月下旬の深夜は寒かった、それでも御曹司クンが抱きついてくれる面積分は温かいのがナンカ不思議で、悪くないかなって想った、

このまま友達でならつきあっていける、そう想ってた、
だけど御曹司クンの寂しがりは多分定期的に暴発するんだろう、そんな予想に無理だなって想った。
たぶんこのまま一緒に居ても自分が応えることは無い、そう想ったまま抱きしめてる相手に笑いかけた、

「このまま傍にいたって自分は好きにならないよ?恋愛とか自分はもう無理なんだよね、おまえが言った通りソコが壊れてる、笑」

自分は壊れてる、なんて言い方ホントは嫌いなんだけど、笑
でも御曹司クン的には「壊れてる」ワケだからそのまんま引用したのに泣声が言っていた、

「だからごめんっ…おまえ壊れてなんかない、だって…こんなやさしー…」
「いや、たぶん壊れてるよ?ホントに、笑」

ホントたぶん壊れた、そんな自覚させられる記憶がある。
その断片を言ってやった、

「世界が灰色になるって台詞あるだろ?アレって嘘だけどホントだよ、自分もね、あのひとが亡くなったって聴いた瞬間に世界の何か消えたって想った、」

あの一瞬で何かが砕けて消えた、そんな自覚は時経つごと深い。
あのとき大きく欠落してしまったモノがある、そういう現実を認めたくないけれど笑って言った、

「自分の部屋で母親に言われたんだけどさ、死んだって言われた瞬間にね、続く言葉が聴こえてるけど架けてた曲の音も歌詞も聴こえなくなってさ、
部屋の壁の色とかちゃんと見えてるんだけどナンカ違くて、朝になってガッコ行っても空の青がなんか昨日までと違くて、だけど世界は普通に動いてた、」

自分の周りは普通に動いていく、だけど違う。
あの違和感は忘れられない、そう想ったまま言った、

「ガッコの授業もちゃんと聴こえて理解してた、でも教室に座ってる自分が他人みたいだったよ?なんで自分だけここに居るんだろってずっと考えてた、
そのまんま今も考えてるよ、なんで自分が生き残ってあのひとだけ死んだんだろって考えてる、一緒にいる時なら救けられたかもしれないって考えてる、」

こういう考えって不毛だなって思う、だけど気が付いたら考えてる、
もう癖みたいになってる思考パターンはある意味で自分の一部なんだろう?そんなまま笑った、

「こういうの、答えなんか解らないことだろ?それでも考えてるってドッカ壊れてるんと思うよ、だから色とか音の感覚も変ったままで今もいるんだと思う、
でもさ、前に見てた空も今見てる空もきれいだよ?前よりドッカ哀しいカンジに見えやすいけどさ、だけどナンカ眩しいカンジが綺麗に見える、変だろ?笑」

どうして自分だけ生きてるんだろう?
何故あのひとが死ななくちゃいけなかったのか?

その答えなんて見つからない、
あのひとの生きた時間を遺したくて自分勝手に意味づけしてるだけ、それしか出来ない、
だけど答え解らないままでもソレナリ楽しんで想ったより幸せを生きていられる、そんな想いのまま笑ったら抱きしめられた。

「ほんと…運命のひとなんだな、そのひとが…ずっと考えてるって世界まで変わるって…それでも綺麗って、ソウイウおまえだから俺こんな好きなんだな、」

涙飲みこみながら言ってくれる、その泣いてる声が温かかった、
いま自分が御曹司クンを抱きとめて泣かせてた、でも自分もたぶん抱きとめられている、
そういうのが素直に嬉しいなって想えてさ、それでも言うべき事は言いたくて笑って言った、

「そういうワケでおまえのこと恋愛で好きにはなれないよ?自分は勝手に他の誰かとも逢うしさ、そういうのオマエきっと辛いよ、今も泣いてるし、笑」

こんなに泣きまくってる今、だから無理。
そう想うまま笑ってコートの背中ぽんって敲いて、でも御曹司クンは抱きしめてくれた、

「泣いてもイイじゃん、作って笑うよりずっと幸せだもん俺…こうやって泣いてる今が幸せ、だから友達でもなんでも傍にいたい、」

そんなこと言っちゃって良いんだ?
こんなふう言ったら完全降伏=イニシアティブ完全にコッチサイド、
それでも抱きついたまま離れない、そんな泣声すこしずつ治まって、ようやく腕解いて御曹司クンが笑った、

「もう25日になったなー…クリスマスもおまえと一緒できた、笑」

そんなこと今この時も考えてたんだ?笑
こんな能天気が可笑しくてさ、笑って一歩下がって軽くSってやった、

「帰るよ、今日もデートだからさ?おまえも気をつけて帰りな、笑」

ホントのこと正直に言って笑って踵返して、
歩きだした後ろから深夜零時の駅前、大きい声が言った、

「やっぱ大好きだー!帰ったらメールする、またなーっ、」

だから、真夜中に大声とかって迷惑だろ?


とりあえずココで一旦切りますけどまだ続きます、気が向いたら続篇また。
このあと「Savant」加筆&読み直し校正します、明日は第75話かAesculapiusか未定だけど多分書きます。
コレとか小説ほかナンカ面白かったらバナーorコメントなど反応下さい、そういうの続き書こうってなるので、笑

深夜に取り急ぎ、



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