ぴかの独り言 GooBLOG vol.1

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創業60年のプロなのだ

2009-09-19 10:28:00 | ノンジャンル
おはよ。

皆さま、お忘れかもしれませんが、あたしは呉服屋なのです。(本当です)

そして、秋の訪れとともに、いろいろなご注文をいただく季節となるのです。
(夏の暑い間は、あまり着物の話題が出てこないのですね)

そんな中、20年ほどご無沙汰をしていたお客様からお電話が・・・

「孫に、おじいさんが使った産着を着せてやりたいのだけれど・・・」

どうやらお孫さんが生まれて、かつておじいさんの使われた着物を、縫い直して使いたいというご希望のようです。

おじいさんの着た産着(=初着 ウブギと読みます。生まれたばかりの赤ちゃんが、宮参りと称して、氏神様に挨拶に行く時に着る着物です)・・・というところで、一体どんなものなのかがわかりませんでしたので、早速にお宅へ伺って、拝見しました。

するとそれは、大正時代の古い古い着物が、キレイに洗い張り(着物を解いて、パーツごとに洗って再び縫える状態にしてあることです)をされておりました。

まずは、生地の強度を確かめます・・・大丈夫みたい。

・・・が、いかんせん古い古い着物ですので、今と比べると、サイズと形が少し違うのですね。

お客様を前にして、着物と対話をするあたし。

その間、寸法のこと、仕立てのこと、パーツの不足がないか?など、ここぞとばかり脳ミソが超高速にフル稼働するのでありました。

そして、やがて結論に達します。

「・・・何とかできると思います。やってみましょう。」

これを言った限りは、何が何でもやり遂げないといけませんョ・・・プロだもの

先日のガス欠のおじいさんではないですが、今ここであたしがすることは、全力で引き受けるということなのでした。

断わるということも出来ないことはないのでしょうが、それをやったら、あたしはあたしでなくなるような気がするのだよ。

・・・あたしは、プロの呉服屋なのです。(本当です!)