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Pretenderの備忘録

体験的わが国の医療の問題点 2009

2009-07-03 23:45:46 | 健康
母が脳梗塞で倒れた。同居している妹が朝、ベッドから落ちて意識を失っている母を発見。すぐに救急車を呼ぶ。脳梗塞では7年前に倒れており、その際は二ヶ月の入院で後遺症もなく退院、その後は、A大学病院で3ヶ月に一度診察を受け、薬も処方されて飲んでいた。
救急隊が到着すると妹は、A大学病院の診察券を提示して、脳梗塞で通院していることを告げる。母に意識はなく、麻痺も明確で、脳梗塞だろうと素人でも察しがつく。救急隊員は、「A大学病院は一杯で断られるので、他を探しましょう」と、B大学病院、C病院、D病院、E病院とあたるが、すべて断られた。ここでようやく、A大学病院も一応あたりましょうと連絡。A大学病院では満室ではあるが、B大学病院に掛け合ってくれて、B大学病院に搬送される。

⇒45分のロス。
★ 救急隊員の明確な判断ミス。A大学病院に通院しているという事実を以ってA大学病院に最初に連絡していれば、B大学病院にすぐに搬送できた。
☆ しかしどこも断られる、満室というのもあれば、月曜の朝7時台というのもあるか
☆ 正面からは断ったがA大学病院経由だと受け入れるB大学病院。。。

B大学病院には8時半頃に到着。救命病棟に。夜勤の交代の時間のようで、夜勤と思しき医師に、同じことをまた聴かれるかもしれませんがと、通常の状況、倒れていた際の状況、過去の脳梗塞のこと等々を聴かれる。まだ意識はなく、麻痺も強い。待合室で待つように言われる。
10時頃、救命病棟の病室に呼ばれる。脳神経科の医師を紹介される。母を見ると、点滴をしているが、アミノ酸か何かだけだ。これは怒鳴らないと動きそうもないなと腹を括る。
私:何やってんだよ。一刻を争うわけでしょ。なんで薬いれないの?
医師:MRIが空くのを待ってます
私:(呆れて笑いそうになる)tPAでもなんでもいいから血栓溶かす薬入れて。細胞も死んできているはずから、ラジカットでもなんでも投与して。
医師:わかりました。

⇒ 90分ロス。
★医師に臨機応変の判断ができない。訴訟リスクを気にしている可能性もあるが。
★救命病棟の脳梗塞の患者にMRI待ちさせる病院の体制、おそらくマニュアル不備
★これらの根幹の医療制度

まとめ

救急隊員
救急隊員は、連絡の順序ということも重要な仕事の一部としてきちんと取り組んでほしい。満室であっても通院患者に関しては大学病院は何らかの手を打つのである。A大学病院に満室で断られた経験が救急隊員にさせた判断だと思うが、その経験では、患者はA大学病院の通院患者でなかったはずなのだ。こうした違いを、きちんと踏まえずに、行動するというのは、人命を預かるものとしての緊張感が欠如しているといわれても仕方ないだろう。

大学病院
急患で、心臓や脳の患者については、きちんと対応できる体制を作ってほしい
具体的には、夜勤の医師について、バイトも含めて、心臓と脳の初動についてはきちんと対応できる教育。
心臓、脳の一刻を争う状況について、大学病院として、迅速な薬の投与やMRIの利用等についてのマニュアルの作成と実施

おわりに
今回、一命をとりとめ、意識もしっかりしているが、後遺症は残りそうで、リハビリ病院に転院となる。現在、リハビリにより好転しているが、画像をみると明らかに壊死している脳細胞がかなりある。家族としては、あの2時間半がと、当然のことながら悔しく思うのである。母の脳梗塞は二度目であり、初回に、インターネットや医師の友人に質問したりして、随分勉強していたので、医師に対峙することができた。しかし、こういうケースはたまたまであろう。多くの場合、救急隊員、病院の不手際による人災的な要素で、一命を落としたり、重篤な後遺症が残っていると想像に難くない。
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現代能楽集 鵺

2009-07-03 22:45:34 | 芝居・ミュージカル・バレエ
新国立劇場 小劇場 B1列13番

作:坂手洋二
演出:鵜山仁

出演:坂東三津五郎
    田中裕子
    たかお鷹
    村上 淳

パンフレット等にあるように、時空を超えて鵺が出てくる。平安時代の伝承にある鵺をモチーフに、現代にも通じる、いや現代を意識して交わされる人間のおろかさ、恐ろしさについての台詞。場面が変わって、現代の風景における男女の機微の中の鵺、昭和の時代における戦争の鵺、ベトナムと思われる国における日本、アメリカと対峙した社会の鵺。最後の台詞がやや教条的というか薄っぺらいところがある。

鵺を人間に潜む残酷な性を映し出すものだとして本を書いているとしたら、描ききれていないと思うけど、重厚な役者の芝居として、とりあえず飽きない。


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