奄美大島への出発の朝、わたしのテンションはだだ下がり。
だって、
外は大雨だし、 鼻水だらだら、咳はこんこん、微熱はあるし。 だけど、旅行に絶えられないほどではないから絶対行く。 念のためにあらゆる種類の風邪薬を詰め込みました。 麻黄湯 咳止め 鼻水止め 総合感冒薬 解熱剤
朝、荷物の再点検をしてスーツケースの鍵を閉めようとしたら・・・・入っていたのは別のスーツケースの鍵。あちゃ。で、そちらのケースを見たら、これと同じ鍵(合い鍵)。しかたなく鍵無しででかけることにしました。まあ、国内だし、貴重品も入ってないし、いいか。
そんなこんなで家を出るのがぎりぎりになってしまいました。
新しく開通した外環状線を使えば、空港へはうんと早く着く、と聞いていましたので、今回は外環状線へ続くルートをチョイス。
しかし、
途中で車線の選択を間違えて遠回りする羽目に。 3年ぶりの松山空港はなんだか様子が変わっている・・・・駐車場でずいぶんもたもたしました。結局集合時刻に5分遅れで到着。 事前に連絡して、大丈夫ですよとは言ってもらってたけど、 情けない思いをしたまま飛行機に乗り込みました。 荷物検査の時、はじめて携帯の充電器を持って来てないことに気づきました。 ケーブルだけ持って来たんです。
あいにくの雨空で外は雲以外のものは見えず、 今までいろいろ旅してきたけど、こんなに悪いことが重なったのって初めてです。
バスのような小さな飛行機には、ずっと前屋久島に行ったときに乗りました。 鹿児島空港で着陸したとき激しくバウンドして、後ろの友人の帽子が2,3列前まで飛んで行ったっけ。 今回の飛行では、実際着陸態勢に入ってから10数分間、 限界寸前の激しい耳の痛みに苦しみました。着陸しても耳痛は続きました。 しかも、いつもよりシャッター音が小さい? 自分の声がくぐもって聞こえる。 これはメニエール病が再発したか? 多分ね。 飛行機の気圧の変化が引き金になったに違いありません。
わたし、旅行の時はたいていポジティブに考えるのですけど、今度ばかりは、これは来てはいけないと言うことだったのだろうかと、先行きが不安になりました。
が、出迎えてくれたバスガイドさんの笑顔がとびきり明るくて、かわいくて、こんなものまでかけてくれましたので
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ちょっと気分が晴れました。 黒砂糖のレイです。 小腹が空いたときぼちぼちどうぞと。
愛媛を出るときはザーザー降りだったけど、ついてみると鬱陶しくはあったけど雨は止んでいて、傘はいりませんでした。 だけど、一番に行くはずだった「あやまる岬」は景色が見えないと言うことで最終日に回ることになりました。
それでここが一番の観光場所になりました。
奄美パーク
うっかり建物の写真を撮り忘れました。 大きなホールで施設の概要を聞きました。
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建物の中に、 建物。 奄美の古い民家です。
後ろには奄美の自然や文化に関するものが展示されています。
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天井はたしかソテツをイメージしたもの。 すてき。
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ここは大きく二つのエリアに分かれていて、わたしは真っ先にこちらの場所に。
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奄美の古民家をモチーフにしているのでしょうか。水の上にすっきりと、清々しくたつ建物。 「田中一村記念美術館」
これぞわたしが無理してでも来たかったところなのです。
東洋のガラパゴスといわれる、離島奄美大島。 ここに来るにはまず鹿児島へ行き、そこから飛行機か船で行くしかない遠い島へです。 その島へ飛行機をチャーターして90分で行けるという。 しかも、田中一村ですって! 日本のゴーギャンと言われ、島の風景や生き物を描いてここで生涯を終えた画家です。いつか実物の絵を見たいとあこがれていた、その絵を見られるのです。 なんとしても行かなければと早々に申し込みました。
ちょっとだけラッキーなことに、あやまる岬の観光を後回しにしたことで、ここでの滞在時間が20分延びました。
ありがたかったです。 時間を延長しても足りないくらい。 集合時刻ぎりぎりまで見て回りました。
やはり本物の絵はちがう。 ビロウジュやアダン、バショウ、ソテツといった島の植物は大胆かつ精緻、 対象に向かう画家の純粋な魂に触れた気がしました。
美術館の外には一村の路が作られていました。
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ここは、一村の絵をイメージした植栽がされていて、所々に説明書きがありました。
こんなふうに。
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こんなふうに。
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左側には一村の絵、右側にはその絵に基づいた植物がある場所を示しています。
たとえば、絵に描かれているゲットウは
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そうしたスポットが5箇所ほどありました。
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回っていくと建物の裏側に出てしまいました。
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仕方なく床下を通って表に。 高床式なので、ちょっと頭をかがめたら通れました。
その途中で見つけたのは、
以前ブログに書いたことのあるソテツの花。 実もついていました。 いやあ、見れば見るほどおもしろい花ですね。
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そして床下に敷き詰められていたのは
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さんごのかけらでした。
何とかパークの外に出られました。
入場したときは気づかなかったのですが、小さな実がいっぱい落ちていて
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パイナップルのかけらみたいでおいしそう。ちょっといい匂いもしたし
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見上げたら、アダンの木があって、その実が落ちているのでした。
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これ、たべられないのでしょうか。ちょっ舐めたら、甘いような気がしたんだけど。
さあ、残り時間わずか。 「奄美の郷」の中を駆け足で見て回りました。
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びっくりしたあ、本物のおじさんかと思いました。
島の暮らしを写真、映像、レプリカなどで紹介しています。
いつの間にか耳痛は治まっていました。 ただ自分の声がくぐもって聞こえるのは治りませんが、 午前中の憂鬱は消えかけていました。 今回もきっといい旅になる、そう思えるようになりました。
(長くなりそうなので、ときどき暮らしの記事を織り交ぜながら不定期に続きを書いていきたいと思います。)