あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

旅の終わりはー  奄美大島への旅6

2019-12-28 01:10:09 | 旅行
 昼食がすんでバスに乗ろうとして気がつきました。 
 道ばたに
 
 
 おもしろいですねえ。
 
 ところで、最終日は観光と言うより見学かしら。
 そしてガイドさんが交代しました。昨日までのガイドさん、地図を元に、行く先々、通る道々、きっちりと案内してくれて、歌まで歌ってくれて、教科書通りの優等生。すてきな笑顔と優しい声にさそわれて、ついつい睡魔に襲われて申し訳なかったです。
 最終日は、何度も行き来した道で、地理についてはもう説明を聞く必要はありませんでしたが・・・・ たとえて言うと奄美大島の綾小路きみまろ。 称賛とともにこの名前を贈りたい。車内は爆笑に次ぐ爆笑で、同じ道を行ったり来たりがちっとも苦になりませんでした。
 
 まず行ったのは黒糖焼酎のメーカーである「浜千鳥」さん。
 入り口にでっかい酒瓶が立っています。下の方の車と比べてみてくださいね。
 
 
  始めにいろいろとお話を聞いて、工場の中を見せて頂きました。
 
 
 お酒を造る工場って似たり寄ったり。人の姿もあまり見えません。
 

 そしていろいろ試飲をして気に入ったお酒を買うというシステムも同じです。
 黒糖焼酎というのは、まだアメリカ軍の占領下にあった頃は黒糖だけで作られた、いわばラム酒のようなものだったそうです。日本に返還されてから焼酎にするには米麹を混ぜなければ行けないというので今のようなお酒になったそうですが、原料の6割は黒糖だと言うことです。(記憶が曖昧で、間違ったところがあったらごめんなさい。軽く読み流してください。)
わたし、焼酎は、その香りと味のギャップが大きくて、飲むたびに期待を裏切られたと思うので、あまり好きではないのですが、 試飲した「高倉」というお酒はとてもフルーティな香りで、夫の飲んでいる焼酎とは全く違うと思いました。 たしかにラム酒に近いかもしれません。ここのメーカーでは、原料のサトウキビはすべて奄美大島産だそうです。
 ここで最後の買い物をして、次は
 
 大島紬村へ
 
 
 亜熱帯の植物が茂る公園のような敷地の中に工場がありました。
 
 「大島紬は値段が高いと言われるけれど、その行程を見てもらったら納得してもらえると思います。」そんなセリフを、ガイドさんからも、工場の案内人の方からも聞きました。
 
 
 
 
 これが、泥染めをする田んぼです。職人さんが実演してくれています。
 
 
 
 さて、その行程ですが、
 まず、絹糸を防染のために縛ります。 その縛り方は、出来上がりの模様を元にあらかじめ設計されており、その通りに縛っていくのです。その細かさといったらー
 これ、まだ織ってない、糸を縛った段階です。
 
 
 
 その糸をシャリンバイなどの染料で染めます。
 
 染めては泥水で洗い、染めては洗い、その回数なんと80回。
 染め上がった糸
 
 
 その糸が、次にこうなるらしいんだけど・・・・ああ、詳しいことを忘れました。木綿糸で織ったのかな? 
 
 それから木綿糸を1本1本ほどいて、
 金属のへらのようなもので細かく色を入れていきます。
 その糸を使って機で織ります。
 
 
 ただ織るだけではなく、7,8センチ織るごとに、糸を引っ張って締めていきます。すると模様がくっきりと浮かび上がるので、設計図と同じ模様になっているか確かめるんだそうです。
 どの行程も気の遠くなるような作業でした。
 お願いして手元を撮させてもらいました。まさに宝の手。なぜここまで緻密な織物に仕上げるのか・・・・田中一村といい、大島紬といい、奄美には人をひたむきにさせる何かがあるのかもしれません。
 
 その後売店に案内されましたが、お値段は、マフラーで0が4つ、コートは5つ、着物だと6つ、というところかな? あの作業を見た後では確かに高いとは思いませんでした。手仕事って、みんなそうだと思うのですが、仕事の対価としては決して高くない、ただ、自分の暮らしがその値段に見合わないだけなんです。
 わたし、普段はブランドもののバッグも、高価な宝石も買いません。ただ旅行に出たときだけ、その土地の石で作ったアクセサリーや特産品を買うことにしています。なので、ちょっとだけ贅沢してきました。
 
 
 マフラーなんですが、美しいでしょう? よく見ると、本当に繊細な模様が織り込まれています。
 
 早速使ってみましたが、軽くてどんな色の洋服にも合って、しかも温かい。とても重宝しています。
 
 その後、飛行機が出るまでには十分時間がありましたので、何軒かお店に寄りました。
 お店の近くの海岸でサンゴを拾い

 手作りの塩ができる様子をみせてもらい、



 サトウキビのジュースをごちそうしてもらい、

 さあ、バスに乗りましょうと駐車場に帰ってきたところ、何人かの人が双眼鏡で森を眺めています。このツアーにはバードウォッチングが趣味の方が参加していました。
 なにかギャアギャアというか、ジャアジャアというか、あまり美しくない鳴き声が聞こえていました。
 「何の鳥がいるんですか?」と聞こうと思ったそのとき、
 
 あっ 飛んだ
 
 誰かが叫びました。
 目の前を、カラスくらいの大きさの鳥がばさばさと飛んでいきました。その鳥の尾羽がまるで内裏様の檜扇を広げたような形で、先端に白い点々が連なっていました。同じように翼にも白い模様が。
 カケスだそうです。カケス? ルリカケス? 
 
 ちょうどペーパークラフトを買っていたので見てください。
 
 
 光線の具合で、瑠璃色の羽は黒っぽく鹿見えませんでしたが、翼の先、しっぽの先の白い模様は確かにルリカケスでした。
 


 旅の最後の最後で本当に貴重なものを見られてよかった。奇跡みたいです。
 
 帰りの飛行機では阿蘇山(多分)がくっきりと見えました。
 
 
 この旅行に一人で参加した女性はわたしを含めて4人。 同じ西条市にお住まいのAさん、バードウォッチングが趣味のBさん(いろいろな鳥を教えてもらいました)。そしてわたしのバッグに興味を持って、後日展示会に来てくださったCさん。よいお仲間と楽しい旅ができました。
 始めが悪くても終わりが悪いとは限りません。旅は尻上がりに良くなり、そして終わりが良ければすべて良しというのはそのとおりです。

 長々と書きましたが最後までお読みくださってありがとうございました。あと、番外編として書ききれなかった植物のことなどを書こうと思いますが、これはまた来年に。

 
 
コメント
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