竜神平
元は湿地帯だったそうですが、乾燥化がすすみ、クマザサが進出して今はこの景色。


ここには愛大小屋と呼ばれる山小屋もあります。
愛大小屋は面河にもあって、50年も前に泊まったときはとにかく雨露がしのげたらいい程度のぼろっちい小屋でしたけど、それでも建設には相当苦労したんですよね。頭元にネズミの走る気配を感じながら寝たことを思い出します。

10時半に登り初めて着いたのは11時50分。ちょうどお昼によい時間でした。開放的な景色を見ながらおにぎりを食べました。弁当作りにエネルギーを注ぎたくなかったので、全員コンビニおにぎりです。
多いとは言ってもこのくらいの人出です。
木の丸太を並べただけの椅子にはきのこが生え、

爪楊枝の半分くらいの尺取り虫が這っていました。
「かわいい~」
「上手に歩くよねえ」
「どことどこをくっつけて歩くんじゃろう、おもしろいよねえ。」
わたしたち、膝痛のため参加してない1人を合わせて4人、約40年も前に同じ学校に赴任した同期生でした。以来ずっと交流が続いています。みんな手仕事が好きで、自然が好きで、子どもたちも同年齢で、共通点は多いのですが、淡々としたつきあいなので、カフェ巡りや温泉巡りなどはしません。だから尺取り虫をこういう目で見る人だったとは今まで知らなかったです。似たもの同士でよかった、しみじみと思いました。
さて、ここから20分で皿が峰、 30分で竜神平一周、どうする? もちろん頂上をめざしました。
登り口

倒木にはぼこぼことサルノコシカケ

あまり立ち止まらないで進みました。途中久万高原町の畑の川へ下りる分岐点があり、小学生の子と会いました。山の中で会う子どもたちはどの子も礼儀正しく挨拶をしてくれて、表情がきらきらとしてかわいいです。
しばらくいくと先頭のAさんが、
「あった! もうちょっとで頂上よ。」
彼女は、アウトドア派の娘婿ちゃんから地図を借りてきていました。
「頂上近くに、ロープを持って登らないかんところがあって、そこが1番きついんだって。」
なるほど

木の根っこがはしごに見えます。
でも、まあ、石鎚山の鎖を登るようなことはなくて、難なくクリア-。
その次は
「すべるよ~ 気をつけて」
今度は滑り台のようにつるつる滑る粘土質の道でした。登山靴ってすごいね。踏みしめて登ったら滑りませんでした。下りの時、まだ登山靴を買ってなかったBさんがすべって尻餅をつきました。(あぶないあぶない、へたをすると圧迫骨折しそう)
じつは本日の山登りは、新品の登山靴にはき慣れるためでもあったのです。万が一靴が合わなかったときのために、普段履きのスニーカーをリュックにしのばせていました。
そもそもなんで山バーバになることにしたかというと・・・シャクナゲを見にのぼった横峰寺で、トラオパパが言ってくれたのです。
「お母さん、ここをこの時間で登れたんだから、どこでも登れますよ。こんど伊予富士あたり行きませんか?」
わたし、さっそく日曜日(母の日)の午後に登山靴を買いに行きましたよ。
一方Aさんは、
シャクナゲを見に行った日、わたしから「あなたの教え子に会ったよ」というメールを受け取って、にわかに山へ行きたくなったんだそう。すると、息子さんに「山ぐらいコロナに遠慮せずに行ったらいい」といわれて、息子さんとご主人とが登山靴をプレゼントしてくれたんですって。 それが日曜日(母の日)の午前。ニアミスです。
いいなあ、うらやましい~
それから程なくして娘たちが笹倉湿原に行くことになり、前々から笹倉湿原に行きたいと言っていたAさんに知らせましたが、私たちは考えた末に初心者向けの竜神平に行くことに決めたのです。娘は子どもも行くんだからと勧めてくれましたが、いきなり初心者が言っても迷惑かけてもいけないし・・・
さて、頂上に着きました。思ったよりも早く、標準時間20分の所30分で登れました。

頂上には先客が一組だけでした。
一昨日の雨がうそのように晴れて空がきれいでした。

南(多分)には石鎚連峰

北(多分)にはうっすらと松山市の街並みと海が見えました。


木々の間からピンクが見えたのでよく見てみると
シャクナゲのようでした。横峰寺のシャクナゲには圧倒されましたが、緑の木々に混じって咲くシャクナゲは登り切った喜びを増幅させてくれました。

しばらく山頂で休んで下山。
先ほどのロープのところで今度はAさんがおっとっととなりました。そのとき、下から上がってきた人が待っていてくれたのですが、真っ白な毛のきれいなわんちゃん連れで、わんちゃんがおとなしく待っていてくれたのです。わんちゃんにも挨拶して離合。
「待て、待て。」という飼い主さんの声に振り向いてみるとわんちゃんがあの根っこのはしごを駆け上がっていくところでした。カメラを構える間もなく木立の中に消えていきました。
それから一列に並んでおりながらときどき立ち止まって写真を撮り、
まるで盆栽仕立てのような古株と苔

ブランクだったふた月ばかりの近況報告しながら下りてきました。
夏には珍しい花がたくさん咲くんだとか。季節を変えてまた来たいなあと思いました。