順序でいえば瓶が森を途中で下山した後の行動を書くべきなのですが、三日後、また瓶が森へ行きましたのでその日のことを先に書きます。
水曜日、「瓶が森林道フラワーウォッチング」というツアーに参加しました。これは瓶が森林道(ユーフォーライン)を歩いて植物観察をしようというツアーで、西条自然学校の法橋先生がガイドをしてくれます。春、夏、秋の3回あるのですが今まで参加したことはありません。というのも水曜日は松山へ行く日。けどとても面白そうなので太極拳をお休みして参加しました。結論から言うと、大変面白く有意義な一日でした。
この日は中型バスに乗って新しい寒風山トンネルを抜けました。このトンネル、5432メートル、日本で2番目に長いトンネルだそうです。知らなかった。
いったん高知県に入って木の香温泉でトイレタイム
海洋堂の自動販売機ができていました。
道端には十月桜がちらほら。写真を撮りたい人のためにバスが止まってくれました。添乗員、ガイド合わせて総勢15人のツアーです。この融通の利かせ方がアットホームな感じでよかったです。
また愛媛県側に引き返して狭い道をうねうねとゆっくり進みました。小型バス一台がやっとの狭いところもたくさんあり、運転手さんも気の抜けないツアーだそうです。
このツアーは西条市の自然と歴史を理解してもらうため、西条市観光物産協会が主催しています。添乗員さんも物産協会の職員です。
ユーフォーラインはもともと雄峰ラインと言っていましたが、古文書にもUFOが出現したらしいことが書かれているため、UFOと掛け合わせてこう呼ぶようになったそうです。なんでも火の玉が目撃されたのだとか。
狭い山道を抜けると広々とした景色が広がります。
かつてカローラのCMで菅田将暉さんが気持ちよく運転していた道。あれでこの道は一躍人気が出て人が大勢来るようになりました。困ったのは、あんなふうにすいすい運転できる道だと勘違いしてくる人が大勢いること。そして、今石鎚は人が多すぎて過密状態だそうです。当然マナーの問題や環境への負荷が増えることなどの問題も起きています(今年石鎚山には例年になくたくさんのごみが落ちていたそうで、石鎚を愛してやまない山男が悲しんでおりました)
景色は広々で、舗装はされていますが山道には変わりありません。慣れない運転による事故も結構あるそうです。
さらに付け加えるならば、道端の草を刈ったり、弱いところを補修したりするのは地元西条市と高知県いの町の職員だそうで、時には木の枝で車を擦ったなどの苦情を言われることもあるのだそうです。しかし、観光客が押し寄せても管理する地元には一円も入ってこないのだとか。バスの中で、通行料をとったらいいのにねえ、という声も上がりました。私もこうして楽しませてもらうのですから通行料を払ってもいいという気持ちはあります。
このツアー、春、夏、秋の3回行われており先の2回はいずれも悪天候だったそうです。今日も怪しい・・・添乗員さんは一抹の不安を抱いていたようですがー
よい兆しが見えてきました。
こんなに空がピンクに染まるのは見たことがないそうです。家族で行ったときに車が多くて止まれなかった場所でバスを止めることができ、しばし撮影タイムになりました。このツアー、わざと観光客の少ない平日に催行しているそうです。が、この日は車が多かったです。
わたし、今まで何も考えたことがなかったのですが、この幾重にも重なる優しい山並みは高知県側。雲の下に太平洋が広がっていました。ガイドの法橋先生はこの高知県の山がうらやましくてしかたがないそうです。広葉樹の多彩なひろがり。高知県は山の多い県ですが、西条市のように急峻な山にまで植林はしておらず、自然のままの広葉樹の森が広がっています。
というのも、数年前、西条市も大雨で大きな被害を受けましたが、その一因となったのが放置された人工林でした。細いひょろひょろとした、本来間伐されるべき木が保水力を失っており、雨が降ると土砂とともに流されるのだそうです。今自然学校が取り組んでいる、放置林を自然に還す活動も災害を機に行うようになったのだとか。
次に止まったのは吉野川源流の碑があるところ。ここからは歩いて道端の植物を観察しながら、瓶が森の駐車場を目指しました。
駐車場のちょうど上あたりに来た時、石鎚に雲海がかかっているのが見えました。私たち、花も見たいし景色も撮らなきゃいけないし。なかなか忙しかったです。
駐車場のベンチでお弁当。ちょうど祭りシーズンなのでお寿司と柿羊羹(全国一の愛宕柿の生産地田滝地区のグループが作っている柿の果肉入り羊羹)でした。
お弁当を食べた後、瓶が森の氷見二千石原を歩く人と、林道をさらに下って子持ち権現まで歩く人に分かれました。私はつい3日前に氷見二千石原へは行っているので、子持ち権現行きにしました。
瓶が森駐車場付近にもガスが出て幻想的な風景になっていました。
子持ち権現は背中に子供を背負っているような形からそういわれているそうです。古くから修行の場として修験者たちが登っているそうです。ウマオに言わせれば、鎖しかない山です。なぜかウマオは子持ち権現がお気に入り。将来はここに登ってみたいんですって。
子持ち権現が正面に見えるところまで歩いて駐車場に引き返しました。
帰り道、自念子の頭(じねんごのかしら)へ寄り道して、数分登山気分を味わいました。添乗員さんはぜひここを見てほしかったといいました。というのも自念子の頭へ上る道の左側は高知県、右側は愛媛県で、尾根を境に全く違った地形になっているのでした。
高知県側
愛媛県側
この下は絶壁です。ガスで何も見えません。霧は愛媛県側から立ち上ってきます。
右 高知県 左 愛媛県
こうして楽しく有意義な一日が終わりました。
次回に、散策で見つけた植物を紹介します。
行って見たいです
空と海と雲の間に・・・
霧の湧きだす様子を見ているとなんだかふしぎなきもちになりますね~
雲海が見られて素晴らしい景色を堪能出来て良かったですね
一年に何回も登る人の気持ちが少しわかるような気がします。来るたびに山の表情が違うんですよ。
ガスが出て雲海になるのもいいです。幻想的でした。