Japanese Curry Awards 2014 選出について補足です

こんばんは。

1つ前の記事で発表しましたJapanese Curry Awardsですが、私の雑感をまとめておきます。

最初は各自のお薦め店を持ち寄って、トップ10を決めると思っていました。
ただ「日本のカレー文化に貢献したお店」という基準が設けられたことで、単純に自分の好きなお店を選べばよいという訳にはいかなくなりました。
これは参加者の皆さん全員が、かなりノミネート選定に悩んだことと思います。
私はまずムット、HATTI、馬来西亜マレーなどの個人的に大好きなお店は選から外して考えました。
ただ、今はこれで良かったと思っています。
こういうお店は個人のブログで推せば良いでしょう。

お店選びの基準が何でも良ければ、いろんな国の料理店もノミネートに多数入っていたでしょうし、選ばれた12店もまた違う結果になっていたはずです。
しかし、それは巷にあるカレー特集の雑誌やムック本のような、ざっくりとしたお店選びと違いがないように思います。
また、参加者の嗜好が色濃く反映される選出結果になれば「この人がいるからこのお店が選ばれたんでしょ」と、見た方々に勘ぐられてもおかしくありません。
それは過去に私がカレー特集の本やテレビで「カレー評論家の◯◯さんが監修だから、当然こういうセレクトになるわな」と勘ぐったのと同じことです。
それなら別に私たちが集まって、やらなくても良いかなぁと。

「日本のカレー文化に貢献したお店」という軸が一本通ったことで、お店選びの理由が明確になりました。
それは難しいことであるのと同時に、これだけカレーについて深く考えることもそうなかったな、と思い返す数カ月間でもありました。

今回私はノミネート店の中にカレーハウスCoCo壱番屋(以下ココイチ)を入れました。
チェーン店を入れるのは正直最後まで悩みましたが、圧倒的な店舗数と海外展開までしている抜群の知名度、接客態度や具や辛さなどを選べる自由度の高さなど、他のチェーン店とは一線を画しています。
カレー文化には間違いなく貢献しているでしょう。
ブログ開設後数年~つい先日まで、正直「ココイチって(ノ∀`)タハー」と思っていました。
ただ、これだけカレーチェーン店の圧倒的なシェアを維持しているのはすごいことですし、今回のAwardsのノミネートを考える上で、一周して評価したくなりました。
もう何年も訪問していませんが、あらためて行っておこうかなと思いました。

「ココイチはお店ではなく、企業の表彰になってしまう」という理由で選考からはもれましたが、普通に何も制限がなかったら、ここまで考えることもありませんでした。
今回のJapanese Curry Awardsに関わらせてもらったことで、今まで以上にカレーについて深く考えるきっかけを与えていただいたと思います。

来年以降も、どのようなお店が日本のカレー文化に貢献してきたか、色々と考えていきたいと思います。
それでは、失礼します。
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Japanese Curry Awards 2014 審査結果発表です


こんばんは。

既にお知らせしてる通り、Japanese Curry Awards 2014の審査会について結果発表いたします。
12名の参加者の皆さんからのノミネート店は、約90店でした。
その中から、今年もっとも日本のカレー文化に貢献したと思われるお店は以下の12店です!

●リッチなカレーの店アサノ(町田)
カツカレーといえばドロっとしたカレーという、固定概念を覆したサラサラカレーと、地元神奈川の豚肉を使った揚げたてカツの融合で、カツカレー文化の発展に貢献。
●カレーや うえの(鷺ノ宮)
昔ながらのおうちカレーを、正しく次世代に受け継ぐ貴重なお店。
具材を別々に最適な状態に仕込み、完璧なおうちカレーを提供している。
●エリックサウス(東京・八重洲)
駅地下のオフィス街で、ミールスを1000円という驚異的な価格で提供して、ここ数年でブームになった南インド料理の敷居を一層押し下げたことで、普及に大きく貢献した。
●オクシモロン(鎌倉)
日本人が作る独創的なカレーの数々は、現地式にこだわらないがハイレベル。
美しい盛り付けとは対照的に、スパイス使いは非常に力強い。
ホールスパイスを細かく挽いたものと、粗挽きとの組み合わせなどが印象深い。
観光地のデートでも利用できる貴重なカレー店として評価したい。
●カラピンチャ(神戸・王子公園)
近年、関西ではスリランカカレーがブームだが、日本人感覚で仕上げたカレーとしては非常にハイレベル。
関西の混ぜていただく食文化にもマッチしている。
●ガラムマサラ(経堂)
インド料理店でありながら、タイやネパール、日本などの食文化とも融合して、ここでしかいただけない料理の数々を提供している。
新たなカレーの可能性に大きく貢献している。
●GHEE(原宿)
閉店や復活を繰り返す、原宿カレーの原点といっていいお店。
色々なお店に影響を与えたカレーのお店として評価。
●シャートムヤムクンポーチャナー(上野)
沢山あるタイ料理店の中で、タイカレーのペーストを市販品ではなく、手作りできちんと作っている点を高く評価。
●トマト(荻窪)
じっくり手間暇かけて煮込んだカレーは、並んでも食べたい、まさにご馳走という名の欧風カレー。
●カフェハイチ(新宿)
ドライカレーの概念を覆す、水分を飛ばした挽き肉のカレーをご飯に平たくよそうスタイルの開拓と、ハイチコーヒーとの組み合わせを高く評価。
◆Spice BAR 猫六(曳舟※2014年3月28日オープン)/新人賞
スパイスとクラフトビールのお店として、新たな切り口から展開する話題のお店。
カレー好きな人でなくても、ビール好きな人にもカレーのおいしさを知ってもらえる点を高く評価。
◆デリー(湯島他)/名誉賞
カシミールカレーといえばデリー。(ロイヤルホスト?(ノ∀`)タハー)
多くのお客さんのカレーに対する印象を変え、長年に渡って日本のカレー文化に大きく貢献。
満場一致でした。


以上です。
12店のうち、私が訪問したことがあるお店は6店舗のみですが、訪問したことがないお店でも他の参加者のプレゼンを聞くと、納得できる選出でした。
参加者の皆さんと一緒になり、ひとつの形をつくり上げることができたことは、とても嬉しく思います。
また、訪問していないお店は来年ぜひ訪問したいと思い、新たなモチベーションになりました。

来年はどのようなお店が選出されるか、毎年見ていくことで日本のカレー文化におけるトレンドが見えてくるようになれば良いなと思っています。

それでは、失礼します。

【過去記事】

Japanese Curry Awards 2014 審査会を開催しました(2014.12.24)

Japanese Curry Awards 打ち合わせ in ガラムマサラ(2014.12.10)

Japanese Curry Awards始動!(2014.09.25)

【合縁奇縁】水野仁輔さんとお会いしました(2014.09.09)
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