こちらの建物も今年の「京の夏の旅」で特別公開されました。

龍谷大学大宮学舎。
七条通り堀川と大宮の間、西本願寺に隣接してあります。
龍谷大学は1639(寛永16)年に西本願寺境内に開設された教育施設「学寮」を始めとして発展してきました。現在は伏見、滋賀県にもキャンパスを広げていますが、ここ大宮学舎が発祥の地なのです。
イギリス製の正門門扉の真正面に本館の美しい建物があります。

竣工は1879(明治12)年。木造石貼り2階建て寄棟造り桟瓦葺の疑洋風建物です。
創建当時の明治の姿がほぼそのままに残り、1992年から1997年にかけて修復されています。



正面玄関を入ると突き当りに階段があります。

二階にあがると、講堂と貴賓室があります。明治天皇が訪れたという貴賓室の中は撮影禁止で。

講堂の中です。
元は100畳敷きで、学生は正座して講義を受けていました。


柱頭にはアカンサスの彫刻が施されています。

本館裏側の入り口。

本館の南に建つ南黌。

北側に建つ北黌。
いずれも、現在は校舎として使われていますが、当初は学寮として建てられていました。

本館と南黌をつなぐ渡り廊下。

その天井は菱組になっていて美しいです。
柱の上部の三角形は明治10年に建てられた京都駅のプラットフォームを参考にしていたようです。

旧守衛所。
現在は龍谷大学オリジナルグッズを展示販売しています。

明治の初めに洋風を模しながら、よくこれほどの美しく堂々とした建物が造られたものだと感心してしまいます。
素晴らしい建物です。
本館、北黌、南黌、正門、渡り廊下、旧守衛所、すべて国の重要文化財に指定されています。