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ネコは飼主の死期にも感謝の気持ちを伝えるか?

2019-09-01 21:18:07 | 猫・犬
以前読んだ本が気になって読み返していました。


「作家と猫2(2011年発行)」という本の、日高敏隆氏と飼いネコとの関係が書かれたページです。

日高敏隆氏(1930-2009)は、日本の動物行動学の創始者であり、一般向けも含めてたくさんの著書があります。プライベートでは、大のネコ好きだったということで、日高氏と飼いネコとの関係がこの本に書かれています。その中に、奥様の日高喜久子氏が書いた文章があって、下記の部分に目を止めました。

『今いる猫はかつて2年間家の庭で「入れてくれ」「入れてくれ」と鳴いていたのら猫で、名前は韓国ドラマの主人公シン・ドンヒョクと同じ。通称「シン君」です。彼は小さい時、余程虐待を受けたのか情緒不安定で、いつもニャーニャー鳴き続けているので、はじめ「なき猫」という名前でした。なき猫のシン君は誰にもなつかず、主人はあきらめて「シン君は可愛くないなー」といつもこぼしておりました。主人は「こいつ、人にあまえないくせによく太ってるナ」と言っていました。日高自身は偏食で太ってなかったのですが・・・・・。
主人が亡くなる5日程前に「シン君が抱っこしてって来たよ」というと「いいよ来なくても」と言っていましたが、無理に布団の中に入れてあげると「いいよ来なくって」と言いながらじっとだいていました。猫もじっとだかれていました。両方とも辛抱していたのでしょうか・・・・?』

臆病なためずっと主人になつかなかったネコですが、もうすぐ死にそうだという場面に遭遇して、最後の感謝の気持ちを伝えるために、意を決して甘えに行ったように見えます。
以前、「ネコは死期を悟ると飼主に感謝の気持ちを伝えるという」の記事を書きました。上の文章を読んで、もしかしたらネコは、飼主の死期にも感謝の気持ちを伝えることがあるのではないかと思いました。飼い主が死ぬ前のことですから、そういう場面に遭遇したり、観察したりする機会はとても少ないでしょう。ネコに一般的な行動なのかどうか、なかなか同様の観察例を集めるのは難しいかもしれませんが、よく覚えておきたいと思います。

ところで、日高敏隆氏はネコに関する著書も多くて、「ネコはどうしてわがままか」「ネコたちをめぐる世界」「ネコの時間」といった本を出しています。私はまだ読んでいませんが、日高氏ならではの鋭い観察眼で、ネコの秘密が暴かれているかもしれないと思うと気になってきます。

あと余計なことを言うと、私の大学時代の師匠は日高氏の研究室出身なので、私自身は不肖ながら日高氏の孫弟子であると自認しております。


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