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2011年ACL1次リーグF組 名古屋VS杭州【0:2】欧州チャンピオンズ・リーグから遙か数十光年離れて

2011年03月01日 23時00分05秒 | サッカーあれこれ
ヨーロッパで国内リーグとチャンピオンズリーグの連戦を幾度も経験してきたストイコビッチがJリーグ連覇とACLの初制覇に挑む2011年は,果たしてグランパスにとって輝かしい年となるのだろうか。その試金石とも言える試合となった中国でのアウェー戦は,バックスタンドを埋めたホーム杭州のサポーターが上げる大声援に気圧されるような展開となってしまった。

サイド攻撃の仕掛け人として新たに加入した藤本と昨年までの配給役である小川の役割分担が不明確で,金崎とケネディは良い形でボールを繋げず,前半はお互いに孤立したまま荒れたピッチに立ちすくんでいるように見えた。玉田はドリブルを仕掛けるものの,シュート役を捜しているうちにあっさりボールを奪われ,何度も危ない逆襲に遭っていた。
守る方では,闘莉王は試合勘が戻っているようには見えず,ミスの多い増川,前半の左クロスに対して決定的なマークミスを犯した阿部とともに,不安定な印象ばかりが残った。

こんな出来ではJリーグ・チャンピオンの勲章が泣くと思いつつ,それでも前半はスコアレスで終わったこともあり,後半こそ名古屋らしさを発揮してくれるものと期待していた。しかし終わってみれば逆に「守ってカウンター」という相手の戦術が見事に決まり,まだ中国一部リーグに上がって間もない杭州に金星を献上する結果となってしまった。

TVの解説者はしきりに相手の「球際の強さ」を褒め称えていたが,杭州は決して強いチームではなかった。先制点は相手の9番を見失った闘莉王の,そして2点目は緩慢なマークで簡単にシュート性クロスを上げさせてしまった阿部の,それぞれ単純なミスによるものだった。
だが今日の試合においては,こうした守りのミスよりも,これまで攻めて勝ってきたチームが,高さのあるDFの前で全く攻め手を欠いてしまっていたことの方が問題だろう。

スピードのあるサイド攻撃を繰り出せなかったのは,シーズンがまだ始まっていない時期でコンビネーションの問題があったから,という理由である程度は納得できる。だが,せっかく永井を入れてもスペースに走らせるようなボールは出ず,闘莉王を上げてもケネディと二人でマークを分散させるようなハイボールも上がらない,更にはペナルティエリアの外側からのシュートはゼロというのは,攻撃に対する意識に問題があったとしか思えない。

この低いレヴェルで燻っているようなチーム状態を変えられるのは,このチームで活躍して代表に呼ばれたいと思っているに違いない,金崎と永井の目立ちたがり精神かもしれない。
ケネディの頑張りしか収穫がなかったこの試合こそが,実は2011年シーズンの最重要試合だった,とシーズンを振り返った時に思わせるような逆襲を,次節以降に期待したい。


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